114年前にゴッホが眺めた満月

提供: Kroller-Muller Museum(オランダ)

 

 刈り入れが終った麦畑のかなたの山並みの上に顔を出した満月。オランダの画家ヴァン・ゴッホ(1853−1890)が114年前に描いたMoonrise(月の出)である。この満月は何時のことか、好事家の間では長い間の謎であった。

 ゴッホは1889年5月〜9月、フランスのプロバンスにあるサン・レミ男子修道院に滞在中にMoonriseを描いた。満月は29.5日毎にめぐって来るので、ゴッホは滞在中に5回の満月と遭遇したことになる。

 アメリカの天文学者を含む3人の科学者が現地を訪れ、当時の天候の記録、地形図、ゴッホの手記など様々な資料をもとに研究した結果、1889年7月13日午後9時8分に現われた満月であることを突き止めた。

 ゴッホ生誕の150年にあたる今年の7月13日は、当時から数えて6度目のメトン周期(Metonic Cycle: 19年毎に繰返される同じ月の位相のこと)にあたった。晴れた夜であれば、サン・レミ修道院では114年前と同じ時間、同じ場所でゴッホが眺めた満月が見られたはずである。
 

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