「ディープインパクト」を宇宙と地上から観測

母機から発射されたインパクター(想像画)

提供:NASA./JPL

NASAが今年の1月に打ち上げた彗星探査機ディープインパクトは、7月3日のテンペル彗星との遭遇を目指して順調に飛行している。このミッションの目的は、彗星の中心核の内部構造や物質の化学組成を詳しく観測することである。

目的を達成するため探査機ディープインパクトには、銅とアルミニウムでできた直径1メートル、重量370キログラムのインパクター(衝突機)が搭載されている。テンペル彗星の軌道に到着後、探査機ディープインパクトは88万キロメートルの距離からインパクターを発射する。24時間後の7月4日、インパクターは時速約3万7000キロメートルの速度でテンペル彗星の中心核に衝突する。インパクターの衝突で、中心核には幅100メートル、深さ約25メートルのクレーターが形成されると考えられている。

インパクター衝突の瞬間、大爆発が起こり、直径2メートルほどの氷や岩やダストなど中心核を構成する物質の塊が噴出する。インパクターが衝突する60秒前、中心核から約1万キロメートルの距離にある探査機ディープインパクトの搭載カメラが作動する。搭載カメラの撮影は16分ほど続く。この間探査機は、中心核に500キロメートルまで最接近してクレーターを詳細に観測する。

インパクターの衝突時、テンペル彗星は地球から0.89AU(約1億3400キロメートル)の距離に位置している。衝突の様子は、地上のカメラからも観測される。ハワイ島のマウナケア山頂にあるケック望遠鏡、ジェミニ望遠鏡及びすばる望遠鏡は、インパクターの衝突前、衝突時および衝突後の3段階にわたって観測を行う。また地球軌道では、ハッブル宇宙望遠鏡、スピッツアー赤外線望遠鏡及びX線天文衛星チャンドラが、歴史的な瞬間を観測する。

テンペル彗星(直径約6キロメートル)は、5.51年周期で太陽を一周する。1867年4月3日、アーネスト・ウイルヘルム・テンペルにより発見された。余談ながら、探査機の名前はハリウッド映画のタイトル「ディープインパクト」から採られた。

昨年1月初めには、NASAの彗星探査機スターダストがヴィルト2彗星のコマ(に含まれる中心核)のサンプル採集に成功し、来年1月にサンプルが地球に届けられる。ディープインパクトのチャレンジにより、地球を含む太陽系の惑星の形成に関する詳細なデータが得られるのは、そう遠くない。

 

http://www.jpl.nasa.gov & http://subarutelescope.org

 

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