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何が惑星Xに起こったのか?
ジョン.D.アンダーソン
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冥王星の彼方に世界はあるのか?最近の理論的説明、観測データの発見によるとクピアー・ベルトには多くの氷状の天体が存在することを示している。しかしそれ以外に何かもっと大きな天体、惑星Xは存在するのか?今のところ太陽系外を探査しているパイオニア、ボイジャーからのデータではそのような世界の存在を示す兆候はない。 |
まず最初に、海王星軌道の彼方に未発見惑星の存在する可能性が高い。「惑星X」である。数学でXは未知を意味する。ローマ数字でXは10を意味し、もしそのような惑星が存在するならばそれは太陽系10番目の惑星となろう。既知の星々の彼方にある未知の惑星の発見は近代天文学の絶えざるテーマであり、古くは1781年のウイリアム・ハーシェルの天王星、1846年ヨハン・ゴットフライド・ゲールの海王星の発見まで遡る。
アーベイン・ジーンーヨセフ・レベリアーとジョン・コウチ・アダムスは海王星の引力が天王星へ与える影響力を計算することで海王星の位置を予測することに成功したが、パーシバル・ローウェルは同じように軌道を計算することで1914年に太陽系9番目の惑星の位置を予測した。1930年にはクライド・トンボーがアリゾナ州フラッグスタッフの観測所で観測中にローウェルが予測した位置近くで冥王星を発見した。
最初この発見は天体構造図の勝利として称えられたが、トンボー自身はこのことに懐疑的であった。正しく、冥王星は天王星や海王星の軌道に観測可能な影響を及ぼすには余りにも小さすぎることが明らかになるにつれ、天文学者達の間では1930年のローウェルの予測点近くでの冥王星の発見は全くの偶然であったことに意見が一致した。
冥王星彼方からのサイン
11年前、私は惑星X(プラネタリーリポート1988年7・8月号)の探求状況を見直して、天空における惑星Xの位置を予測するのに、多くの学者が未だ解決を見ていない天王星と海王星の位置誤差値をそのまま使用していることを指摘した。以来多くのことが起こったが、最も重要なのは1951年にジェラルド・クピアーが仮想した通り、海王星軌道の彼方には帯状の標的物体が存在することが確認されたことである。(クピアー・ベルトの詳細はプラネタリーリポート1994年1・2月号参照)
クピアー・ベルトの発見は、太陽系形成期既知の惑星は比較的密度の高い惑星形成前のディスク状から吸収増大していったのに対して海王星軌道以遠の低密度では冥王星より大きな惑星にとっては拡大することは不可能であったとの見解を支持するものとなった。その代わりに数十万もの小規模物体を形成することとなった。この小規模物体ベルト近辺では地球より大きな惑星が存在することは不可能と思われる。
しかもこれだけではない。1993年にはジェット推進研究所(JPL)のE・スタンディシュが未知の惑星の影響によるとされる天王星と海王星の位置誤差は誤差でもなんでもないことを証明した。スタンディシュは明瞭な意見相違点についての説明を二通り用意した。第一に、1980年にJPLが惑星軌道を計算した結果が、世界中に広く天体位置推算表(DE200)として天体年鑑の惑星位置の基本となって以来、誰も天王星の軌道計算修正を試みていないと言うことである。19世紀と20世紀に得られたデータを使用してスタンディシュは軌道計算を細かく修正することで天王星の位置に関する間違いのほとんどを取り除くことが出来た。
残りの小さな間違いを修正するのにスタンディシュは、1985年から1990年にかけてのパイオニアとボイジャー宇宙船のフライバイから得られた最新の惑星質量のデータを採用した。最も重要なのは、ボイジャー2の海王星のフライバイから得られたデータはDE200の質量より0.5%低い値を示したことである。海王星の位置についてのその他の間違いはその長期の軌道期間によって説明されよう。スタンディシュは海王星発見以前の1613年の天文学者ガリレオと1795年のJ・F・ラランデ(二人共惑星は恒星と推定した)の観測には明らかな相違点を見出さなかった。
天王星と海王星の観測結果は惑星Xとは無関係に修復できるという事実は、だからと言って惑星Xが存在しないと言う証拠には決してならない。1991年にトロント大学のデビット・W・ホッグとジェラルド・D・クインランならびにスコット・トレメインはより高度な分析をもってすれば惑星Xの存在は証明出来るとの結論に達した。それでも尚且つ過去10年の研究では惑星Xの存在は天王星と海王星の軌道に与える影響だけを追っていたのでは発見できないことを示唆している。もし惑星Xが存在するとしたら恐らくは望遠鏡か赤外線放射による発見の確率の方が高い。
1929年から1943年にかけてのクライド・トンボーの努力を始めとするあらゆる望遠鏡による探求にも拘わらず今のところ何も発見されていない。1977年から1984年にかけてチャールズ・T・コウワルはパロマ観測所の48インチ・シュミッド望遠鏡で黄道(黄道は地球の軌道が描く幾何学的円周で、殆どの惑星の軌道は太陽黄道に対して数度の傾斜をしている)の北から南にかけての広大な範囲の上空を観測した。コウワルの観測はトンボーよりももっと小さな天体をも対象としたが、またしても結果は新惑星の発見には至らなかった。ただ5個の彗星と土星と天王星の軌道間をうろつくシロンを含む15の小惑星を発見したにとどまった。赤外線放射観測については赤外線天体衛星(IRAS)が広大な物体サンプルを示してくれたが、そのいずれも未だ惑星Xとは認定されていない。
もし惑星Xが存在したとしても、現在の技術水準ではその発見は無理かも知れない。問題の惑星はクピアー・ベルトの外側にあるのかも知れないし、その軌道周期も800年又はそれ以上かも知れず発見するには何らかの新しい方策が必要かも知れない。仮想惑星Xの発見は冥王星や海王星の3倍から4倍の距離を探査する新技術の開発までおあずけとなることを意味しているのかも知れない。クピアー・ベルトの発見に寄与したハーバード大学のジェーン・X・ルーとハワイ大学のデービッド・C・ジュエットの開発した新技術をもってしても、ゆっくりとした速度で動く惑星Xには無理かも知れない。
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