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NUCLEUS
2.82年、83年の進展
アメリカの制作は、コロンビア映画社。「クレイマー・クレイマー」を制作したフランク・プライス社長が引き受けたということで、「コスモス」とは桁の違った制作体制となった。放送も、米ABCのニュース部門が、初めて外部プロダクションの制作を認め、プライムタイムで全米放送する。そのため、当初6時間で考えられていたのを4時間のシリーズに凝縮することになる。
日本は、「コスモス」についで大阪の朝日放送で、広島の再現シーンをはじめ、いくつか制作協力することになった。さらに制作財政への出資も行うことになる。
第一話:火と氷
ありうべき人間未来の叙事詩風のドラマダイゼーション。
核戦争による地球上の長い期間にわたる影響。
第二話:連鎖反応
1913年SF作家が描いた悪夢から、1945年8月6日まで。
原子と原子核の性質。発明、政治、そして原爆の最初の使用。
第三話:発明家と将軍
サーベルからスターウォーズ(宇宙戦争)まで。核軍備競争の歴史。
第四話:解放された世界
人類は果たして安全になりうるだろうか。核兵器の未来。
総制作費は600万ドル(約15億円)、朝日放送の出資は180万ドル(約4.5億円)。放送を核として、事前にカール・セーガンの著書出版を行うなど諸権利のすべてを共有し、後刻利益配分する方式で話し合った。
この面でのアメリカ側の担当は、コロンビア映画の副社長アーノルド・メッサー氏で、日米間を往復しながらの交渉の中で、コロンビア映画が他社と共同でやったことはない、制作的にも資金的にもその必要はないからだ。今回のはカール・セーガンの強い要請によるもので、何故日本の、それも大阪の、一民放局と組むのか、理解できかねる、といった風だったが、大阪を、京都を訪ねるとともに、すっかり当方のファンになっていただいた。まもなく同氏は、コロンビア映画から移籍され、トライスター映画社(コロンビア、CBS、HBO三社で設立)の副社長、そして社長になられた。
完成目標を85年とするがその後、アメリカ側は、スピルバーグ、ポール・ニューマン、カーク・ダグラスの協力をとりつけ、ソ連からも参加することになる。日本側にも黒沢明、三船敏郎らへの交渉依頼があり、ローマ法王や天皇へのインタビューも話題になった。アイゼンハウアー大統領当時の科学顧問で82才のキスチアコウスキー氏の貴重な証言インタビューも採録したとの報告もあった。
こうして制作スケジュールが立てられる中で、アメリカとしてはレーガン大統領再選選挙のある84年11月目標の放送にしたいとの案が浮上し、それに向っての検討も行われた。
一方日本は、日本における放送料、放送権利料、委託制作料、吹替料、宣伝・催事費用に関して営業的に、富士ゼロックスと京セラの二社と、実に理解のあるスポンサー契約を行った。富士ゼロックスの小林陽太郎社長は、ニューヨークでカール・セーガンと会談までされている。
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