| 国際宇宙ステーションは、高度約400キロメートル上空に建設される多目的の有人宇宙施設です。そこでは、宇宙飛行士が長期間(3〜4ヵ月)滞在して地球や天体の観測を行なうほか、重力がほとんどない宇宙の環境(微小重力状態)を利用してさまざまな実験や研究を行ないます。こうして得られた成果は、我々の科学技術の一層の進歩、生活の向上および産業の発展に生かされます。
国際宇宙ステーションの建設計画は、1984年にアメリカのレーガン大統領により提唱され、アメリカのほか日本、カナダ、ブラジル及びヨーロッパ11カ国が参加しました。1993年にはロシアも加わりました。しかし、ロシアの経済事情やアメリカの議会の反対などにより、国際協力による宇宙計画は大きく遅れ、1998年11月にロシアが最初の基礎構造を打上げてようやく始りました。その後数多くの組立て作業が行なわれ、2000年7月には宇宙飛行士が宇宙空間で生活するためのロシア製の居住棟ズベズダ(星)が取付けられました。そして2001年11月2日から3人の宇宙飛行士による長期滞在が始りました。

完成した国際宙ステーション
提供: NASA
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国際宇宙ステーションの完成は早ければ2008年になると考えられています。完成後の国際宇宙ステーションには、計画では居住棟が2つ、調査や実験を行なう実験棟が7つ、地上から物資の補給や管理を行なう補給棟が2つ備わり、常時7名の宇宙飛行士が生活したり働くことになる予定です(滞在する宇宙飛行士の数は、国際宇宙ステーションが完成するまでは3人の体制が続くようです)。国際宇宙ステーションは10年以上使用する予定です。
国際宇宙ステーションは約90分で地球の軌道を一周します。その長さは太陽電池パネルを含めて約110メートル、幅約80メートルそして高さ約42メートルで、総重量は約415トンになります。地上に置くとサッカー場の大きさくらいになります。
居住棟(ズベズダ)は、全長13メートル、最大外径が4.2メートルの円筒で重量は約19トンになります。 2005年には、アメリカ製の居住棟USハブが打上げられる予定です。2006年に打上げられる日本製の実験棟「きぼう」は、長さ11.2メートル、直径4.4メートルの円筒形の船内実験室と宇宙空間にさらされる長さ5.6メートル、幅5メートル、高さ4メートルの箱型の船外実験台で構成されます。実験室と実験台には倉庫に相当する補給部が取付けられます。
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| 居住棟や実験棟の内部は地球の大気とほぼ同じ状態に保たれるため、宇宙飛行士は宇宙服を着用している必要はありません。水や空気は浄化して再利用されます。居住棟には、寝室やシャワールーム、トイレ、運動スペースもあります。また、宇宙食を保存するための冷蔵庫や冷凍室も完備しています。宇宙飛行士の勤務は5日間、週休2日制で、1日8時間働きます。
宇宙空間では、物の重さがなくなるため、物が空中に浮いたままの状態になり、水は表面張力により球形になり、そして水と油のように比重が違う物どうしが混じり合うという現象が起こります。実験棟の実験室ではこうした宇宙環境を利用して、地上では得られない新しい素材や医薬品を開発したり、微小重力が人体の骨を作る細胞に及ぼす影響を調べるなど、材料科学や生命科学の実験などが行われます。
いっぽう実験台では、宇宙線や放射線を測定して宇宙環境が人間や植物に与える影響を調べるほか、地上からは観測できない天体の観測さらに宇宙での通信試験などが計画されています。実験台の作業は、実験室に取付けられたロボットアームを操作して行なわれます。国際宇宙ステーションでのこうした新たな試みは、月面基地の建設や有人火星探査など将来人類が宇宙で本格的な活動をに欠かすことができない成果をもたらすものと期待されています。
水中で船外活動の訓練をする
土井宇宙飛行士
提供: 宇宙開発事業団
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日本の実験棟 「きぼう」
提供: 宇宙開発事業団
ところで、国際宇宙ステーション計画には日本の宇宙飛行士も参加しています。トップバッターとして、土井高雄さんが1997年11月のミッションに参加しました。このミッションで、土井さんは予定外の人工衛星のマニュアル回収を行なう日本人として初めての船外活動を経験しました。
次に2007年10月、若田光一さんが組立てに参加しました。若田さんはロボットアームを操作して、巨大な太陽電池パネルの基礎構造、宇宙ステーションの姿勢制御装置及びアンテナを取付けるなど、宇宙飛行士の長期滞在の基礎を築きました。その優れた能力と技術は絶賛されました。そして2003年3月には、野口聡一(そういち)さんが宇宙ステーションの組立てに参加する予定です。このほか、古川聡(さとる)さん、星出彰彦(ほしであきひこ)さん及び角野(すみの)直子さんが宇宙ステーションの長期滞在する宇宙飛行士として待機しています。
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