**********************************************************************        ☆☆☆☆☆ TPS/Jメール ☆☆☆☆☆ ********************************************************************** 今週のもくじ  ・YMコラム ・ヒューストンレポート  ・ホットトピックス ********************************************************************** ********************************************************************** ☆☆ YMコラム ☆☆ 某新聞社主催の作文コンクールの審査会がありました。中学生と高校生な のですが、いつもながら地球環境問題への意識が非常に高く、大部分の子ども たちにとっては、科学は環境の敵という捉え方が支配的です。環境については 否定的な側面だけが強調されるので、たとえば二酸化炭素は悪者という一方的 な見方になってしまうのです。光合成などは吹き飛んでしまうのですね。もう 一つの特徴は、科学を自動的に技 術的側面から捉える傾向の強いことです。 日本における「科学技術」という言葉の使 われ方がそういう流れを生み出して いるのでしょう。科学と技術と社会という3つの ものの関連を、深くとらえる 努力をしていかなければならないと感じています。科学をテーマにした作文コ ンクールで、基礎科学への情熱を語る若者が一人もいないという現状は、異常 としか言いようがありません。そして審査員の他の先生の発言の中から、私は 「宇宙の進化という歩みの中から命の尊さを論じるだけでは間に合わないかも知 れない」と思い始めています。生命というものそのものについて勉強しなおす必 要が出て来るかも知れませんね。 このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp   ********************************************************************** ☆☆ ヒューストンレポート ☆☆ 宇宙で迎える感謝祭とクリスマス 7月下旬までは、新人のドン・ペッテイット宇宙飛行士は、今年の感謝祭とクリ スマス休暇は妻と歩き始めたばかりの双子の子供と家で過ごせるだろうと思って いた。ところが、先月23日にフロリダ州のケネディ宇宙センターと飛び立ち、 同僚のケン・ボワ−ソ及びロシア人のニコライ・ブダ−リン宇宙飛行士と共に来 年3月までの4ヶ月間、国際宇宙ステ−ションで長期滞在を開始することとなった。 3人を含む7人の宇宙飛行士が搭乗したスペースシャトル・エンデバ−は、25日 午後オ−ストラリア沖合いの南太平洋の250マイル(約400Km)上空で国際 宇宙ステ−ションに到着した。 ペディット宇宙飛行士は、去る7月26日宇宙線に曝されると悪化する可能性のあ る健康上の理由(病状は非公開)で、今回の長期滞在のミッションから外れたベテ ランのドン・ト−マス宇宙飛行士の替りに抜擢された。ペディット宇宙飛行士 (47才)の前歴は、ケミカル・エンジニアであった。 2001年1月から宇宙飛行士としての訓練を重ねてきたペッテイット宇宙飛行士 ではあるが、経験豊かな前任者との交替に不安と期待の入り交じった感慨を覚えた ようである。その時の気持を、「何となくト−マスさんに悪いような気がしました。 しかし同時に、自分にとっては良いチャンスだと思いました。」と語っている。 ペッテイット(科学研究員)、ボワ−ソ(指揮官)及びブダ−リン(フライト・エ ンジニア)のクルーは、6月初めから長期滞在している米国人のペギ−・ウイット ソン、ロシア人のバレリ−・コルズン及びセルゲイ・トレチェフ宇宙飛行士と交代 する。予定より滞在が延びた3人は、今月4日にようやく地球に帰還することがで きる。 25日は、エンデバ−で到着した7人を合わせた10人の宇宙飛行士にとっては、 感謝祭の休暇を返上した1週間間のあわただしい作業の始まりとなった。26日 には、太陽電力装置と冷却装置が取付けられる総額3億9000万ドル (約468億円)、長さ45フィ−ト(約13.7m)の基礎構造をエンデバ−の 貨物室から吊り上げる作業を行った。この基礎構造を取付けるためには、宇宙ステ ーションとスペースシャトルにあるカナダ製ロボットア−ムの動員と2人の宇宙飛 行士による6時間に及ぶ慎重且つ粘り強い船外活動が必要になる。28日と30日 にも船外活動を行い、基礎構造の取付けを終らせる予定である。 ところで、トーマス宇宙飛行士は半導体素材の分子構造の研究が専門だった物理学 者であったが、12年前にNASAの宇宙飛行士チームに加わり、4回のシャトル 飛行を経験して合計44日間の宇宙滞在時間を記録している。NASAの係官は、 宇宙線に曝された時間の長さが今回の交代に繋がる理由の一つとなったと語っている。 「ト−マス氏は、心から長期滞在を希望していまし、それが長い間の夢でした。今回 の決定は彼にとっと実に辛いことだったでしょう。しかし、彼が果した役割は偉大で、 至るところ彼の功績だらけです。」と今回のミッションを指揮するボワ−ソ宇宙飛行 士は語った。 オレゴン州シルバ−トン市出身のペッテイット宇宙飛行士は、1996年にNASA 宇宙飛行士団を選択するまでは、ニュ−メキシコ州ロス・アラモス国立研究所に勤務 する物理学者であった。ミシェ−ル夫人との間には双子の息子があるが、彼等は父親 の不在中に2歳の誕生日を迎えることになる。 国際宇宙ステ−ションでは、科学エンジニアとして19項目の研究実験を受け持つ予 定である。特に、飛行士が無重力に慣れるに応じた肉体的変化の測定が主要なテーマ となる。 「補欠ではあったが、私はミッションに参加するつもりで訓練に取り組んで来ました。 私は絶えず科学について何かを考えています。パイロットは生きて息をしていますが、 同時に飛行機やロケットの飛行のことを考えています。人間にはこの両面が必要なの です。」とペッテイット宇宙飛行士は言う。 ヴァ−ジニア州ポ−トスミス出身の海軍大佐で同時にテスト パイロットでもあるボワ −ソ宇宙飛行士(45歳)は、宇宙ステ−ションの指揮官としての訓練を5年以上も 受けてきた。1987年にNASA宇宙飛行士チームに加わって以来、既に4回のシャ トル・ミッションを経験している。彼はまた、打上げ後のハッブル宇宙望遠鏡の主鏡に 起った結像の欠陥を修理する1993年のミッションに、パイロットとして参加した。 指揮官として今回の長期滞在ミッションに参加することについて、「端的に言えば、 やるだけの価値があるからです。」とボワ−ソ宇宙飛行士は語った。長期間の訓練 やミッションによる不在が、宇宙飛行士の家族にとっては一番つらいことであると 彼は言っている。本人もさることながら、彼の妻のアンと3人の若い息子達は、しな やかに我慢強くこれに耐えてきている。 「宇宙ステーションでは、(感謝祭やクリスマス休暇を大仰に祝うつもりはありません。 家に帰って祝えばよいのです。」ともボワ−ソ宇宙飛行士は語っている。 49才の航空宇宙エンジニアであるブダ−リン宇宙飛行士は、ロシアの航空宇宙会社 RSC エネルギアの従業員として1989年に宇宙飛行士の訓練を始めた。彼は19 95年と1998年の2回、宇宙ステーションミ−ルに搭乗して宇宙を飛んだ。奥さん のマリナとの間には二人の成長した息子がいる。 November 26, 2002 Crew replacements ready to spend holidays in Space By Mark Carreau Copyright 2002 Houston Chronicle ********************************************************************** ☆☆ ホットトピックス ☆☆ 各記事の詳細は日本惑星協会ホームページでご覧になれます。 http://www.planetary.or.jp/ ●新しい木星の衛星の名前   木星には、太陽系で最も多い39個の衛星がある。この中の22個は、1999〜2001 年に発見された。国際天文学連合は先月、この中の11個の衛星について正式名 を承認した。名前はいずれもローマ神話から選ばれた。 ●地球に写る月の影  今年の皆既日食は南半球でしか見られない。皆既日食時に、月が地球に落とす 影を撮影した珍しい写真。 1999年8月11日、ロシアの宇宙ステーション「ミール」 から撮影された。 ● ********************************************************************** ********************************************************************** ■タイトル  :TPS/Jメール ■発行元   :NPO法人 日本惑星協会         http://www.planetary.or.jp/ ■発行日   :毎週水曜日 ■発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』         http://www.mag2.com/ ■マガジンID:0000022732 「TPS/Jメール」は、上記URLよりいつでも登録/解除可能です。 ********************************************************************** **********************************************************************