**********************************************************************        ☆☆☆☆☆ TPS/Jメール ☆☆☆☆☆ ********************************************************************** 今週のもくじ  ・お知らせ  ・YMコラム ・ヒューストンレポート  ・ホットトピックス ********************************************************************** ********************************************************************** ☆☆ お知らせ ☆☆    2009年宇宙カレンダーの予約受付    宇宙の神秘と驚異と美しさをとらえた12枚の画像。”Astronomy    Calendar” 2009年版が好評発売中です!これまで決して見られ    なかった荘厳な土星の姿、夜空を華やかに彩る彗星、不思議なア    ンテナ銀河、星の生と死を凝縮したりゅうこつ座星雲などなど、    日本語の説明付です。部数に制限がありますのでお早めにお申し    込み下さい。詳しい内容は日本惑星協会の下記URLでご覧になれま    す。予約は同ページの「お申し込みページへ」からお願いします。    http://www.planetary.or.jp/goods/2009/index.htm ********************************************************************** ☆☆ YMコラム ☆☆ (NO.448)    小学校1年生、小林誠さん、チャンドラヤーン    1 国分寺の小学校に行ってきました。1年生の授業です。最初      に「宇宙飛行士がなぜ宇宙へ行くのか」を話し合ったのです      が、「宇宙へ行きたくない人」が3人いたので、一人の女の子      に「なぜ?」と訊いたところ、「ママに会えなくなるから」      と答えました。そこで「じゃあママと一緒に行こうか?」と      水を向けると、「パパも来る?」と。      可愛いですね。でも、「ママに会えなくなるから」とその子が      答えたとき、すぐそばの女の子が「あ、そうだ!」という表情      をしたのも気になりました。うっかり「宇宙へ行きたい」方に      手を挙げたんだけれど、考慮していないことがあって「しまっ      た!」って感じなのかなと思いました。子どもが成長していく      ためには、乗り越えなくてはいけないものが無数にありますね。      小学校に入学したばかりの子どもたちです。「ロケットの打上      げを見たことある?」と訊ねたら、「テレビで見た!」「パパ      の運転する車のテレビに映ってた!」「えっ、車にテレビつい      てんの?」「ちっちゃいんだけどね」──もう口々に力いっぱ      い雑談を始めるのです。15秒離すと、教室のワイワイガヤガヤ      が1分ぐらい続きます。受け持ちの先生と必死で制止して次の      私の発言へ。こうしたことの繰り返しで、わずか45分の授業を      終えた時はクタクタでした。学校の先生って大変。    2 ある機会があって、ノーベル賞を受賞される小林誠さんにお会      いしました。小林さんの語ったことから、二つのことに気がつ      きました。      一つの発言は、「自分の周囲には面白いことがいっぱいあり、      自然というものは考えれば考えるほど面白く奥深いものなので、      それを子どもたちには分かってほしい」というものです。これ      は子どもたちの質問に対して私たちが対応する時の姿勢に関係      します。受験勉強のためだけなら、質問に対して、「テストの      時にこのように書けば正解」というような筋が通っていて完結      した解答をあげれば納得しておしまいなのでしょう。子どもの      知識欲・好奇心もとりあえず満足されるのでしょう。答えその      ものが解答でもあり、もっと先まで進んでいく刺激になるよう      な工夫をしていかなければ、とか、機械的に応えることによっ      て子どもたちをミスリードしていることになりかねないな、と      か思いました。      もう一つの発言は、「いろんな考え方に立った研究を並行して      育てていかないと、最前線の課題に対応できない」というもの。      素粒子論の最前線にしても、おそらくどの分野においてもそう      でしょうが、時代の最先端の問題には、どれが正しい考え方な      のかはっきりとは見えないいくつかの仮説や取組みがあるのが      普通です。個々の科学者は一つひとつの仮説を前提にして懸命      に研究を深めていくのは当然のことですが、国全体として見た      場合は、相互に対立したいろいろな可能性を育んでいくことが、      どうしても必要になるのでしょう。基礎科学の多様な分野を大      切にしなければならないことをあらためて考えさせられました。    3 相模原市の「風っ子祭り」      11月1日と2日には、相模原市の淵野辺公園というところで「風      っ子祭り」が行われました。私は土曜だけ参加したのですが、      大変な盛況でした。相模原市のすべての小中学校が美術の時間      に製作したさまざまな作品が、広い公園いっぱいに展示してあ      るのです。私の参加した土曜日は快晴でしたが、祭りの名前通      りにえらく風が強く、時々突風が吹くので、置いてあるパンフ      レットなどが飛ばされて慌てるシーンがたびたび。でもわが子      やわが孫などの作品を見ようと、大勢の大人の人たちが会場に      溢れ、手を引かれた子どもたちも楽しそうでした。      最近わが「子ども・宇宙・未来の会」(KU−MA)に入会さ      れた長崎さんが実行委員長を務めておられます。その関係で、      宇宙関係でテントを一つ使いませんか?と声をかけていただき、      KU-MA、YAC、JAXAの三者で共同で一つのテントの展示などをし      ました。ロケット、探査機、月・惑星のペーパークラフト、ぬ      り絵、ミウラ折りなどを並べて作ってもらったり、天体望遠鏡      で太陽と黒点を(白い紙に映して)見たり、簡易アンテナで時      々通りかかる頭上のアマチュア無線衛星からの電波を受信した      り……実に楽しい催しでした。    4 インドのチャンドラヤーンから地球の初画像      さる10月22日に打ち上げられたインドの月探査機「チャンドラ      ヤーン」は、地球周回軌道上で徐々に高度を上げているところ      です。11月1日現在、近地点が465 km、遠地点が26万7000 kmに      なっています。これは地球を一周するのに6日ほどかかる軌道      です。月曜日に行う2分30秒の噴射によって遠地点を38万4000      kmにし、その後11月8日に月周回軌道に入る予定です。      日本の「かぐや」の場合もそうでしたが、月周回軌道への投入      は非常に神経を使う作業です。指令はおそらくバンガロールの      地上局から送られるものと思われますが、その他の地上局があ      るティルヴァナプラムはもちろん、モーリシャス、ブルネイ、      ポートブレアなどの関係者も今から緊張していることでしょう。      なお、母機から離れて月面に落下させる29 kgのMIP(Moon      Impact Probe:月面衝突プローブ)の分離は、11月14日または      15日に行われる模様です。どこに落とすかを現在科学者たちが      慎重に検討しているところです。      「チャンドラヤーン」に搭載したTMC(Terrain Mapping Camera:      地形マッピングカメラ)が、10月29日、バンガロールの管制セ      ンターからの指令を受けて起動し、テスト撮像を行い成功しま      した。まず9000 kmの高度からオーストラリア北岸、次いで高度      7万kmからオーストラリア南岸を撮像し、地上局に送り届けまし      た。このカメラは白黒で解像度5 mの撮影をします。雲が多く、      オーストラリアの陸地がよく分かりませんが、画像は非常に鮮      明ですね。      http://www.isro.org/pressrelease/Oct31_2008.htm      閑話休題。北海道では初雪が降ったとかで、「涼しい」なんて      言ったら叱られそうですが、全国的には朝晩肌寒さも感じるよ      うになってきましたね。暑がりの私としては、これまでずっと      半袖で通してきたのですが、日曜日に出かけた「三河安城」へ      は、「上着」と称するものを久し振りで持参しました。みなさん、      季節のかわり目をお気をつけてお過ごしください。                           (YM) このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp ********************************************************************** ☆☆ ヒューストンレポート ☆☆ (378号)    NASAインドの月着陸船に便乗    米国は月着陸船に2つの計器を搭載      マーク・カーリュウ    著作権2008ヒューストン・クロニクル    インドが月に向かって打ち上げた無人の宇宙船には、NASAの2つの    計器が搭載されている。米国が月に行く将来の計画を支援するた    めの計器である。    このフライトにより、将来の深宇宙開発における、米国のパート    ナーとしてのインドの役割が強調された。    チャンドラヤーン・ロケット(サンスクリット語で「月着陸船」    を意味する。)は、火曜日(10月21日)おそく、インド南部の東    海岸スリハリコタの発射設備から打ち上げられ、目的地まで5日間    の飛行を開始した。    NASAおよびインド宇宙局は2006年、このミッションにアメリカの    参加を確実にするための正式協定に署名している。当局によれば、    このミッションのコストは、ニューデリーの政府にとって、過去    2年間で8000万ドルであったが、NASAは計器の開発と製造だけで    1億ドルを支出している。    「この刺激的な協力関係は将来の民間宇宙開発で、相互に有益な    関係を持続するという重要な次のステップを象徴している。」と、    NASAの長官ミカエル・グリッフィン氏は語った。    ミネラル、レーダー    グリッフィン氏とインド宇宙研究組織の会長であるG.マドヘイブ    ン・ネア氏は、今年初め将来の協力関係を規定した協約に署名し    ている。    「NASAがインドのミッションに乗り込むことは、高い可能性をもっ    ている。」とNASAのスポークスマン、ミカエル・ブラウカス氏。し    かし、現在のところ、特定のミッションに関する協議はない。    チャンドラヤーン・ロケットは月を低空で周回し、3次元の地図を    作成する。米国が搭載したハードウエアは月の鉱物資源を確認す    るように設計されている。これらの機材はボルチモアのジョンズ    ・ホプキンズ大学応用物理実験室と、カリフォルニア州パサデナ    のNASAジェット推進研究所から供給されている。    NASAの計器の1つは、ミニサーと呼ばれるレーダーである。このレ    ーダーは月の北極と南極で堆積している氷を探査するとき、永久的    に日陰となっているクレーターの窪みをのぞきこむことができる。    NASAは来年4月に、月観察軌道船を打ち上げる計画である。NASAの    「惑星プロジェクト」の旗のもとに開発された最初のミッション    である。「惑星プロジェクト」とは2020年までに宇宙飛行士を月    へ戻す計画である。    観察軌道船にはさらに強力なレーダー装置を搭載して、古代彗星    の氷の断片をスキャンする計画である。    加えて、NASAのミッションでは、月の南極で、観察軌道船のロケ    ットの一部と、別のインパクターを月のクレーターに落下させて、    直接、氷の観察をすることを試みる。 氷を検知する計器を積ん    だ、随伴の月クレーター観察衛星と検出衛星が、衝撃で舞い上が    る土壌の中を飛行して、氷を検知することを試みる。氷がまだ残    っていればであるが。    月の基地    なぜ、アメリカの科学者は氷に関心をもつのだろう?    アメリカが月の基地を設立すると、氷は貴重な資源を提供するこ    とになる。    太陽の熱を利用して、月の宇宙飛行士は氷を採掘し、化学成分で    ある水素と酸素に分解する。それらの要素はそれぞれ、宇宙へ向    かうか、または地球へ戻るロケットの推進力として使用すること    ができる。    酸素だけでも、月の宇宙飛行士への空気の補給に役立つ。そして、    彗星の氷を溶かして、浄化すれば、飲料水としても使用できる。 NASA along for India moon ride U.S. agency has two instruments aboard lunar ship By MARK CARREAU Copyright 2008 Houston Chronicle Oct. 22, 2008, 9:57PM ********************************************************************** ☆☆ ホットトピックス ☆☆    ● 探査機カッシニ、10月2回目のエンセラダス・フライバイ      探査機カッシニは10月31日、10月2回目のエンセラダス・フラ      イバイを行なった。探査開始以来8回目のエンセラダス・フラ      イバイを行なったことになる。来年もう1回のフライバイが予      定されている。    ● 素晴らしい水星の光条システム      探査機メッセンジャーが10月6日の2回目の水星フライバイで撮      影した、若いクレーターから広がる素晴らしい光条システムの      画像が公開された。    ● 火星にオパール!      NASAは10月28日、軌道周回中の探査機マーズ・リコネッサンス      が20億年前のオパールを含んだ岩石を発見したと発表した。オ      パールの形成には液体の水との関わりが不可欠なため、火星に      は20億年前まで液体の水が存在したと考えられる。 各記事の詳細は日本惑星協会ホームページでご覧になれます。 http://www.planetary.or.jp/ ********************************************************************** ********************************************************************** ■タイトル  :TPS/Jメール ■発行元   :NPO法人 日本惑星協会          http://www.planetary.or.jp/ ■発行日   :毎週水曜日 ■発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』          http://www.mag2.com/ ■マガジンID:0000022732 「TPS/Jメール」は、上記URLよりいつでも登録/解除可能 です。 ********************************************************************** **********************************************************************