**********************************************************************        ☆☆☆☆☆ TPS/Jメール ☆☆☆☆☆ ********************************************************************** 今週のもくじ  ・YMコラム ・ヒューストンレポート  ・ホットトピックス ********************************************************************** ********************************************************************** ☆☆ YMコラム ☆☆ (NO.449)    フェニックス終了、チャンドラヤーン月周回、山崎飛行士    【フェニックス終了】    5月25日に火星に着陸し、その北極の土壌に水を発見して脚光を浴    びたアメリカの火星着陸機フェニックスは、大きなダスト・スト    ームを受けて探査機のパワーレベルが低下して行き、さる11月2日    の交信を最後に地球との会話が途切れていました。そして1週間    にわたって無音の状態が続いたため、フェニックスのチームでは、    探査機の電池は放電してしまっているだろうし、現地では冬が近    づいているため、十分な太陽光が得られない見通しであるため、    このたびついに「ギヴ・アップ」宣言を出しました。 http://www.nasa.gov/home/hqnews/2008/nov/HQ_08-284_Phoenix_Finishes_Mission.html    火星を周回している他の探査機は、引き続きフェニックスからの通    信に「耳を澄ます」予定ですが、チームとしては一応の終了を告げ    ました。もちろん大きな成果を残した成功ミッションであったこと    は確かで、今後の「生命探査」に望みをつないでくれましたね。    「不死鳥が死ぬ」というのも変ですが、消え行くフェニックスに拍手。    【チャンドラヤーン月周回】    さる10月22日にスリハリコタの発射基地から打ち上げられ、地球か    ら月への旅をつづけていたインドの月探査機チャンドラヤーン1号    は、遠地点38万6000 kmの軌道にありましたが、先週の土曜日に、    ペーニャのISRO追跡センターがビャラルの深宇宙管制センター(ア    ンテナ直径18 m, 32m)の支援を受けて電波指令を発し、搭載した    メインエンジンを817秒間にわたって噴射し、本格的に月を回る軌道    に入りました。現在の軌道は近月点高度500 km、遠月点高度が7500    kmの極軌道で、最終的には100 kmの円軌道をめざします。ISRO(イ    ンド宇宙研究機構)のマダヴァン・ナイア議長は、「メインエンジ    ンの噴射オペレーションの最中、私は胸がつぶれるかと思いました。    インドの探査機が史上初めて月の周りを回っています! インドは、    月周回軌道に衛星を送った世界で6番目の国になったのです!」と    興奮気味に語っています。次のホームページには、チャンドラヤー    ンの軌道が動画で入っていますよ。     http://isro.org/pressrelease/Nov08_2008.htm    ナイア議長は、「チャンドラヤーンに搭載したMIP(Moon Impact    Probe:月面衝突プローブ)は11月15日ごろに月面に落とすことにな    ろう」と述べています。29 kgのこのMIPは、将来目標とする地点に    ランダーを降ろすためのテストであり、同時に月面に接近しながら    の観測も視野に入れています。なお、11個の観測機器のうち、大雑    把に言えば、5つがインド製、3つがヨーロッパ製、2つがアメリ    カ製、一つがブルガリア製となっています。    【山崎飛行士】    向井千秋飛行士につづく日本で2番目の女性宇宙飛行士である山崎    直子さんが、スペースシャトル「アトランティス」(国際宇宙ステ    ーション組立てミッション:STS-131/19A)に搭乗することが決ま    りました。打上げは再来年の2010年2月11日以降に予定されており、    約2週間滞在します。    http://www.jaxa.jp/press/2008/11/20081111_iss_j.html    このシャトル・ミッションは、国際宇宙ステーション(ISS)への補    給物資(実験ラック1台、クルー備品など)を搭載した多目的補給モ    ジュールを輸送し、ISSに取り付けた後、これらの補給物資をISS内    に搬入し、回収物資(ESAペイロードなど)を同モジュールで地上に    持ち帰るというものです。山崎飛行士の具体的な役割としては、ロ    ボットアーム操作技術など、各クルーの技量や経験を勘案しながら、    これから具体的に決定されることになります。    嬉しいニュースですね。若い3人の飛行士のうち星出彰彦さんは今    年6月に飛びました。残るは古川聡さんだけですが、彼は野口聡一    さんのクルーに対するバックアップクルーに指名されており、とい    うことは、おそらくはソユーズによる飛行の直近の有力候補だとい    うことです。現在選考中の新たな飛行士たちは、ISSが完成する2010    年5月以降に、ISSに乗り込んでさまざまな実験などを行う飛行士た    ちです。(YM) このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp ********************************************************************** ☆☆ ヒューストンレポート ☆☆ (379号)    NASA月着陸船オリオンの開発をいかに早めるか検討中        シャトルと交代する計画が早まれば、ロシアのソユーズに頼る程    度が低くなる。    マーク・カリュウ    著作権2008年ヒューストン・クロニクル    このギャプ期間におけるロシアへの依存をすこしでもカットする    手段を新しい大統領と議会へ提案するため、この検討はおそくと    も12月初旬には終了すべきである。宇宙飛行士をソユーズで運ぶ    ためロシアへ何百万ドルと支払うというNASAの現在のプランは、    8月にグルジア侵攻したロシアにたいして、米国議会の大きな怒    りとなっている。    「われわれは活動を加速させました。」と、オリオンとアレス1    ロケットのプログラムを含む、NASAの惑星プログラム・マネ    ジャであるジェフ・ハンレイ氏は言う。「研究は広範囲であり、    まったく挑戦的です。」    2015年の発射計画    共和党のジョン・マケイン氏も民主党のバラク・オバマ氏もブッ    シュ大統領にたいして、2010以降、追加のシャトルの飛行を妨げ    るようなことについては、なにもしないよう要請している。これ    はギャップをうめるもう一つの手段でもある。両者はNASAの宇宙    開発の目標を基本的にサポートすることを表明している。    現在の予算のレベルで、NASAは2015年3月を有人月ロケット    最初の発射目標期日として設定している。しかし、2014年9月を    目標期日とするわずかなチャンスがないわけではない。    一連のオプションの検討は、宇宙局以外からもエキスパートを交    えて、NASAのラングレイ研究センター(バージニア州ハンプトン)    が主導して行われている。これらの検討には2014年9月にオ    リオンのフライトの可能性を高めるための間接的な努力と、18か    月短縮するという険しい努力がある。    「それは特に難しい。」とハンレイ氏はいう。「チームにとって、    1年以上短縮できるオプションが、真に実現可能なものであるか    どうかを見極めるのは、特に挑戦的なことです。しかし、われわ    れは限界を設けません。もし誰かがよいアイディアを提案すれば、    われわれは必ず検討します。」    今月(10月)はじめ、ブッシュ大統領はNASAの176億ドルの予算    に、26億ドルを増加することを要求する、2008年承認法に    署名した。    これにより、予算が確保されるものではないが、この措置は次期    大統領と議会に法的な道順を示すものである。法案はさらに月着    陸船の開発を加速するための10億ドルの追加も要求している。    議論の余地のある努力    ブッシュ大統領は2003年のシャトル・コロンビアの事故のあと、    オリオン月着陸船を開発して、2020年までに宇宙飛行士を月へ戻す    ようにNASAに指示した。    月着陸船と発射装置アレスはシャトルおよびアポロ時代のサターン    Vロケットのコンポーネントに依存しているが、現在、挑戦的な、    ときに矛盾した開発努力の真っただ中である。    設計チームは宇宙飛行士の安全性を脅かす望ましくない振動を含む    いくらかの問題に直面している。NASAは初めから設計をやりなおす    べきだという評論家もいる。    マーシャル宇宙フライト・センターでアレス1のプロジェクト・マ    ネジャであるスティーブ・クックは、そのような必要はないと言う。     これまで、エンジニアたちは安全性を犠牲にすることなく、すべて    の問題を解決してきたと、彼は言う。    「わたしは、技術的なそしてプロジェクト管理の事実から離れずに    進むことが重要だと考えています。」とクック氏 ********************************************************************** ☆☆ ホットトピックス ☆☆    ● 「かぐや」、月の裏側の海の形成を解明      月周回衛星「かぐや」の搭載地形カメラの観測により、月の      裏側の海の形成に関する新たな成果が得られた。    ● フェニックスの活動能力極端に弱まる      秋の訪れに伴う火星の北極地域での太陽エネルギーの不足の      ため、フェニックスから届くデータ量が極端に減少し始めた。      5月25日に火星に着陸したフェニックスは、当初の計画を3ヵ      月も超えて調査を続けている。    ● チャンドラヤーン1号、月の周回軌道に入る      インド宇宙研究機関(ISRO)は11月10日、チャンドラヤーン      1号が月面から高度200kmに到達したと発表した。高度100km      の定常観測軌道(極・円軌道)に到達するには、さらに日数      がかかるとされている。 各記事の詳細は日本惑星協会ホームページでご覧になれます。 http://www.planetary.or.jp/ ********************************************************************** ********************************************************************** ■タイトル  :TPS/Jメール ■発行元   :NPO法人 日本惑星協会          http://www.planetary.or.jp/ ■発行日   :毎週水曜日 ■発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』          http://www.mag2.com/ ■マガジンID:0000022732 「TPS/Jメール」は、上記URLよりいつでも登録/解除可能 です。 ********************************************************************** **********************************************************************