**********************************************************************        ☆☆☆☆☆ TPS/Jメール ☆☆☆☆☆ ********************************************************************** 今週のもくじ  ・YMコラム ・ヒューストンレポート  ・ホットトピックス ********************************************************************** ********************************************************************** ☆☆ YMコラム ☆☆ (NO.458)    ふたたび「はやぶさ」の季節がやってきました    ご存知「はやぶさ」について。2003年に内之浦から打ち上げ    られ、波乱万丈のイトカワ探検を終えた「はやぶさ」は、そ    の後「静かに漠然と」地球に向かう旅路の途についていまし    た。このたび、一昨年10月18日以来の「冬眠モード」を終え、    さる2月4日11時35分にイオンエンジンに再点火、動力飛行を    開始しました。いよいよ本格的に地球をめざすのです。    これから、来年3月頃までイオンエンジンによる加速を積み重    ねていき、地球帰還に向けた第2期の軌道変換を実施するわけ    です。満身創痍の「はやぶさ」ですので、その旅路からは、    まだまだ目が離せません。現在のところは、元気に惑星間空    間を航行中であることをご報告しておきます。    「はやぶさ」搭載のイオンエンジンからは、イオン化したキ    セノンが秒速30kmもの高速で放出されます。その反動によっ    て加速するわけですが、何しろ推力が小さいので、少しずつ    少しずつ軌道を変更をしつつ、これから1年余りをかけて地    球を目指すのです。「チリも積もればヤマとなる」。    私が計算したわけではありませんが、「はやぶさ」と現在月    周回軌道上にいる「かぐや」とは、同じ写真に納まってしま    うくらいの方角にいるらしいですよ。もちろん距離は、「は    やぶさ」が3億km、「かぐや」が40万kmですから全然違いま    すけどね。    今回のイオンエンジンの駆動開始に当たっては、これまで慣    性飛行を続けてきた「はやぶさ」のリアクションホイールを    駆動させ、三軸姿勢制御を確立後、2月4日にイオンエンジン    を再点火させて動力飛行を開始したのです。この日、午前11    時35分(日本標準時)、イオンエンジンの再点火を確認しま    した。    来年3月以降は、4月頃から6月頃まで、ある程度地球に近づ    いてきた「はやぶさ」を、地球の軌道にもっと精確に近づけ    る誘導を行い、2010年6月、カプセルを大気圏に突入させる計    画です。    ここまで、イオンエンジンの宇宙での作動合計時間は3万1000    時間、軌道変換量(イオンエンジンによる加速量)は、    1700m/sに達していますが、推進性能も推進剤残量も十分に    余力を残しています。地球帰還までに必要な残り軌道変換量    は、400m/sです。    厳しい作業が始まりました。有終の美を求めて懸命に青春を    燃焼させる「はやぶさ」チームに、熱い声援をお送りくださ    い。「はやぶさ」の軌道については、以下をクリックしてく    ださい:   http://www.isas.ac.jp/j/enterp/missions/hayabusa/today.shtml                            (YM) このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp ********************************************************************** ☆☆ ヒューストンレポート ☆☆ (389号)    NASAは地球の問題により集中を    マーク・カリュウ    著作権:2009年ヒューストン・クロニクル    2009年2月3日    ヒューストンのベーカー・インスティテュートからの新しいレ    ポートは、NASAは月へロケットで人間を送るという念願をあき    らめ、エネルギーと環境、とくに気候変動 ― からどのような    結果をまねくのかの研究により集中すべきであると主張してい    る。    ベーカー・インスティテュート(ライス大学社会政策学科)の    研究者たちは、宇宙局が冷戦後に存在する正当性を証明する機    会としても、電力に風力や太陽などの代替エネルギー源を用い    る努力を推進する最前線に、宇宙局を据えるべきであるとオバ    マ政権に促している。      また、このレポートは、NASAは他の連邦政府関係機関と協力し    て、気候変動の問題に取り組んだり、地球を研究する衛星を打    ち上げたり、宇宙局がもっているスパーコンピュータを利用し    て、世界的な温暖化の将来を評価したりすべきであるとしてい    る。    専門家たち――元ジョンソン・宇宙センターのディレクターの    ジョージ・アベイ、元ビル・クリントン大統領の科学アドバイ    ザーのニール・レーン、元NASAフライト・ディレクターのジョ    ン・ムラトアなどは、新しい政権にスペース・シャトルの引退    を5年間延長すべきであると要求している。かれらは、翼つき    宇宙船は合衆国とその他17カ国との共同で運営している国際宇    宙ステーションに補給するため、および低い軌道から地球を観    測するために必要であると主張している。    「NASAはそれ自体で再確立して、よりバランスのよい機関にな    るべきである。新しい技術を発見する研究に帰るべきである。」    と、レポートの主たる執筆者アベイはインタビュウで答えた。    「現在のNASAはバランスのとれた機関とは言えない。ひとつの    プログラムに捉われすぎている。」    専門家たちは言う。アメリカ人は決してジョージ・W.ブッシュ    の月に帰る計画に酔いしれている訳ではないと。    ブッシュの月への計画は大胆なものであったため、宇宙局の科学    並びに環境、さらに伝統的な航空技術の研究にたいする対応を低    下させているとレポートは主張する。    ホワイト・ペーパーは、2003年のコロンビアの事故後に生じたイ    ニシアティブは詳細を欠き、月に帰るために必要な巨大なコスト    を認識していないと、批判している。    ホワイト・ペーパーはまた、元上院議員で地球を周回した最初の    アメリカ人、ジョン・グレンの「ブッシュの計画は政府の歴史の    なかで、予算の裏づけのない最大の命令書の1つである」という    発言を引用している。    NASAのスポークスマンは「変革」への要求を認めている。「われ    われは大統領と議会から命令を受けています。」とグレイ・ホタ    ルオマ。「新しい政権から命令があるまでは、いままでに命令さ    れていることを遂行するのみです。」    レポートは、宇宙局はオリオン・カプセルの開発を継続すべきで    あるが、6人乗りではなく、3人乗りとし、宇宙ステーションだ    けに飛行するように縮小すべきであると書いている。    アレス1ロケット発射装置は、技術的な問題で批判の的となって    いるが、恐らくこれはキャンセルして、商業ロケットを使用して、    オリオンを打ち上げることとなるであろう。    専門家たちは、宇宙局は火星の探索を継続すべきであるが、赤の    惑星の地表の研究は無人のローバーを使用してすべきであるとし    ている。    その他の研究    ベーカー・インスティテュートの査定は11月の選挙結果で、いく    らかのその他の評価と合流することとなった。    12月にはマサチューセッツ工科大学のチームが新しい政権に30年    近く使用した古いシャトルを打ち上げるリスクを引用して、2010    年のシャトル引退を実行することを促している。    惑星協会の11月のレポートでは、科学者のグループと、元宇宙飛    行士は新しい政権に、月を基地とする計画をドロップして、NASA    は火星に直接飛行するように指導することを促している。    ベーカー・インスティテュートのレポートと同様に、社会のレポ    ートも、有人の宇宙船を小惑星へ向かわせるようNASAを方向づけ    ている。    やがて発表される研究に全米科学アカデミーのものがある。この    アカデミーは非営利のワシントンのシンクタンクで、これまでに    多くの国家の最も挑戦的な科学、技術、医療の問題を組織化して    きた。    科学アカデミーがその研究成果を発表するのは、ことしの5月末    である。 NASA urged to keep feet on Earth By Mark Carreau Copyright 2009 Houston Chronicle ********************************************************************** ☆☆ ホットトピックス ☆☆    ● 「はやぶさ」、地球帰還にむけて始動      「はやぶさ」が、地球帰還をめざしてイオンエンジンを再      始動した。地球帰還は、2010年6月の予定である。    ● ESAの探査機が地球型の系外惑星を発見      ESAが打ち上げた探査機コロー(COROT)が、直径が地球の      二分の一以下の地球型の系外惑星を発見した。COROT-Exo-7b      の暫定名がついたこの惑星は、これまでで最小の系外惑星で      ある。    ● 新たなミッションにつく探査機スターダスト:      目標はテンペル第1彗星      宇宙塵と彗星の粒子を採取した探査機スターダストが、再び      彗星の探査を行なう。スターダスト・ネクストと改名した探      査機は2011年2月にテンペル第1彗星に遭遇し詳細な調査を行      なう。2005年7月4日、探査機ディープインパクトから放出さ      れた子機(インパクター)がこの彗星に衝突した。 各記事の詳細は日本惑星協会ホームページでご覧になれます。 http://www.planetary.or.jp/ ********************************************************************** ********************************************************************** ■タイトル  :TPS/Jメール ■発行元   :NPO法人 日本惑星協会          http://www.planetary.or.jp/ ■発行日   :毎週水曜日 ■発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』          http://www.mag2.com/ ■マガジンID:0000022732 「TPS/Jメール」は、上記URLよりいつでも登録/解除可能 です。 ********************************************************************** **********************************************************************