**********************************************************************        ☆☆☆☆☆ TPS/Jメール ☆☆☆☆☆ ********************************************************************** 今週のもくじ  ・YMコラム ・ヒューストンレポート  ・ホットトピックス ********************************************************************** ********************************************************************** ☆☆ YMコラム ☆☆ (NO.460)    自民党文教部会にて    さる2月26日、日本の宇宙科学についてのレクチャーを依頼され、    自民党の文教部会に行ってきました。以前にも2,3回やらせて    いただいたことがありますので、雰囲気は分かっているつもり    でしたが、昨今の政治事情に鑑み、特別の興味をもって出席し    ました。    当日の討議事項には、もう一つ「著作権問題」がありました。    これはいわば誰でも何かは述べることのできる話題なので、予    想通りいろんな議員さんが活発に意見を出され、当初の予定を    大幅に超過したため、宇宙科学の問題の時間がうんと少なくな    ったのは残念でした。    やはり時代というものでしょうか、席に着いた議員さんの3分    の1ぐらいが、携帯電話でこそこそと外とのやりとりをしてお    られ、ふと喫茶店の女子高校生たちを思い出しました。時期的    にも連絡事項が錯綜しているのでしょうね。    さて、私は「かぐや」の成果を中心にお話をし、「はやぶさ」    や「ひので」などの成果もからめて、「日本の宇宙科学の世界    の中での位置の高さ」と「宇宙科学の成果がJAXAの力だけでな    く全国の大学や研究所の研究者の協働の結果であること」を概    説し、今年の「世界天文年」「アポロ40年」「ダーウィン生誕    200年」なども含め、宇宙の話題の多さについても触れました。    最後に少しだけ、宇宙教育の進展についても述べ、日本のどの    地域で盛んなのかを前の晩に苦労して日本地図にプロットした    ものを示したところ、(これは予想したとおりですが)地図が    スクリーンに表示された途端、全員がぐっと体を乗り出してプ    ロットされた場所を見つめる展開になりました。    話が終わった後で、何人かの議員さんから「どこどこにはあま    り宇宙教育は届いていないんですか」「どこどこにはぜひ行っ    てほしい」など、具体的な地名入りで質問やら要請やらをいた    だきました。やはり、地元のことは気になるようですね。これ    も予想通りの展開でした。    それにしても、宇宙基本法に基づいて日本の宇宙開発戦略を策    定している最中にしては、もうちょっと緊張感があってもいい    のではないかという感じを持ちました。日本の宇宙開発が、人    類のこれからを左右するような雄大さを持つようでなければ、    日本という国が甦ることができないという想いが、私にはあり    ます。この二つは、切り離し難く結びついているのです。    バックミンスター・フラーの『宇宙船地球号操縦マニュアル』    だったかに出ていた「ピアノの蓋」の話を思い出しました。あ    れは、難破した人が、もし近くに、旅客船のラウンジに会った    ピアノの蓋がプカプカ浮かんでいたら、「藁をもつかむ」思い    でそれにしがみつくだろうが、実際にはこれが助かるための最    良の方法ではない、というような筋書だったと思います。フラ    ーの言いたいのは、現代文明の危機は、その危うさを救おうと    している近視眼的な技術に、とりあえずしがみついた結果、結    局は、ピアノの蓋にしがみついた人と同様に、それらの技術と    一緒に海に沈んでいくほかない状態になっているというところ    にあるのではないか、ということです。(YM) このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp ********************************************************************** ☆☆ ヒューストンレポート ☆☆ (391号)    NASAの衛星搭載ロケット、海に墜落    地球温暖化の研究が停止    マーク・カリュウ    著作権2009年ヒューストン・クロニクル    2009年2月24日    NASAの衛星は火曜日(2月24日)のリフトオフ後、南極大陸近く    の海へ墜落し、地球温暖化のディベートでカギとなる問題を評    価する機会を失った。    気候専門家はNASAに対して、可能なかぎり早急に代わりの衛星    を打ち上げるよう要求している。この衛星は2年間にわたり、    世界の二酸化炭素排出を追跡調査する2億7300万ドルのミッショ    ンの主要な部分である。    しかし、緊縮予算およびその他の問題のため、宇宙局が代わり    の衛星を打ち上げるまでには何年もかかりそうだ。失った衛星    の名称は「軌道周回炭素展望台」という。    「軌道周回炭素展望台を失ったことは、世界中の科学コミュニ    ティに痛みを与えた。」と、NASAの大気科学者、ケン・ジャッ    クスは言う。今回のミッションの主任科学者である。    衛星を失った最大の結果は、地球の二酸化炭素吸収源、即ち、    二酸化炭素、およびグリーンハウス・ガスの主たるガスを自然    に大気から吸収して排除する大洋と陸地を確認する機会を失っ    たことである。(訳注:グリーンハウス・ガス: 二酸化炭素、    メタン、一酸化二窒素、フロンガス類といった地球で排出され、    大気中に閉じ込められたガス、温室効果ガスとも言われる。)    カーボン吸収源はカーボン・サイクルの最も神秘的な部分であ    る。と、ジャックスは言う。それらを発見することは、「将来    の二酸化炭素のレベルがどのように変化するかの計算に直接的    な影響」を与えることとなる。    炭素放出の研究で世界の第一人者である、米国大気研究センタ    ーのエリザベス・ホランドも宇宙局に対して、代わりのミッシ    ョンを早急に打ち上げることに集中することを要求した。    「カーボン・サイクルは、この惑星で生活するわれわれにとっ    て、先送りすることのできない非常に重要な問題です。」と彼    女は言う。    970ポンドの衛星を搭載した細身の4段ロケット、トウラスXLは    カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から火曜日(2月24日)    未明に打ち上げられ、南へ向かう弾道で、地球より440マイル    上空の軌道に衛星を置く予定であった。    しかし、衛星を包んだ重い遮蔽物が剥がれ落ちなかったため、    重量オーバーとなったロケットは大気から脱出するスピードに    達し得なかったと、発射ディレクターのチャック・デバルは言    う。「とても個人的なレベルで、われわれは狼狽しました。」    8年間の損失    準備に8年間を要したこのミッションは、人類と自然界が放出    する無色無臭のガスを宇宙から連続的にモニターするアメリカ    最初の試みであった。    科学者は言う。二酸化炭素が大気に入れば、水蒸気、オゾン、    およびメタン・ガスなどとともに、大気を構成するガスの一部    となり、太陽光からの熱を閉じ込める。大気にそれらのガスが    ない場合には、太陽光からの熱は地球の表面で反射して宇宙へ    帰る。    人が自動車を走らせたり、発電したり、あるいはセメントを製    造したりすることにさえ、化石燃料を燃やせば、大気中の二酸    化炭素は増加する。    人類は年間300億トンの二酸化炭素を発生させていると推定され    ている。増加分の多くはインド、中国、および新興工業国から    来ている。    全排出量の約半分は大気中に留まる。    残りの半分は大洋や大陸に吸収されて無くなる。しかし、この    ことはいまだ明確に解明されていないとNASAのデイビット・ク    リスプ、今回のミッションの主調査官は言う。    宇宙局は数週間かけて、代わりの展望台を建設するためのスペ    アの機器類や衛星を集める一方で、ミッションの主任科学者ジ    ャックスは、NASAは日本および世界の科学者に依存して、失っ    たデータを埋めるように動いている。    日本のグリーン・ガス観測衛星は、メタン・ガスと二酸化炭素    を観測するため今年打ち上げられたものであるが、墜落した衛    星の代わりとして、期待できると彼は言う。    しかし、日本の衛星はNASAの衛星ほどの観測力がない。    地上や山の頂上の観測所、あるいは航空機から測定している科    学者の世界的なネットワークも非常に重要な測定値の情報源と    なっている。    2年まえ、米国研究審議会は、新しく二酸化炭素を観測する宇宙    探査機をNASAの地球科学プログラムの最優先事項して加えている。    4億ドルのミッションは計画段階に留まることとなった。 NASA satellite crashes into ocean Loss of vehicle puts global warming study on hold By Mark Carreau Copyright 2009 Houston Chronicle ********************************************************************** ☆☆ ホットトピックス ☆☆    ● 太陽系外の地球を探す      NASAは3月5日(米東部時間)、太陽系外の地球に似た惑星を      探す探査機ケプラーを打ち上げる。ケプラーは3年半のミッ      ションで、はくちょう座とこと座の領域に位置する10万個以      上の恒星を観測し、地球型惑星がどのくらい存在するか調べ      る。    ● 地球から遠ざかるルーリン彗星      2月24日に地球に最接近したルーリン彗星は、2月末に地球か      ら遠ざかり始めた。    ● 氷や霜が消えていく火星の南極冠とその周囲      春たけなわの火星の南極冠とその周囲の眺め。強い太陽光を      浴びて、二酸化炭素の氷や霜が次々に昇華している。 各記事の詳細は日本惑星協会ホームページでご覧になれます。 http://www.planetary.or.jp/ ********************************************************************** ********************************************************************** ■タイトル  :TPS/Jメール ■発行元   :NPO法人 日本惑星協会          http://www.planetary.or.jp/ ■発行日   :毎週水曜日 ■発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』          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