**********************************************************************        ☆☆☆☆☆ TPS/Jメール ☆☆☆☆☆ ********************************************************************** もくじ  ・YMコラム  ・ヒューストンレポート    ・ホットトピックス(作成者の健康上の理由により当分お休みします)   ********************************************************************** ********************************************************************** ☆☆ YMコラム ☆☆ (NO.489)    葉脈といのち――ある女の子との会話    子どもたちと一緒に楽しむプログラムに、「葉脈標本できれい    なしおりをつくる」というものがある。    まず葉を水洗いして汚れをとり、アルカリ水溶液(水酸化ナト    リウムとか炭酸ナトリウムの水溶液)で煮て、葉肉をやわらか    くする。その上で、葉をじっくりと水洗いし、歯ブラシや筆な    どを使って葉脈から葉肉を根気よく取り除く。さらに水洗いし    たり、場合によっては漂白剤で白くしたりすると、うっとりす    るように美しい葉脈標本ができあがる。    アルカリ水溶液を扱う部分は、子どもだけでやらせない方がい    いだろうが、葉脈標本ができあがると、子どもたちは溜め息を    つくほど感動する。これに色をつけるなり、思い思いの文字や    模様を描いて、ラミネート加工すれば、しおりが完成する。    よく池に沈んでいる木の葉が葉脈だけになっているのを見かけ    ることがある。あるいは葉脈だけが残っている葉っぱの化石な    ども記憶に残っている人がいるに違いない。これは葉脈が他の    部分に比べて抜群に硬いからだろう。だから葉脈標本を手に入    れるには、時間がいっぱいある時ならば、水につけておいて葉    が腐るのをゆっくりと待っていればいい。でも子どもたちと遊    ぶ時は、そうゆったりともしていられないので、アルカリと熱    を用いて葉の弱い部分を痛めつけて、葉脈以外の部分を軟化さ    せて取り除いてやるわけである。    先日、子どもたちと一緒に重曹(ふくらし粉)を使って葉脈標    本をつくってみた。重曹をフライパンで熱して炭酸ナトリウム    を作り、その水溶液で葉っぱを処理した。子どもたちのドキド    キしている顔を見ているのは、楽しいものである。クチナシの    葉を使った。真っ白な葉脈を手にした時の喜びの表情は、まさ    に天にも昇るような感じであった。    しばらくして、ある女の子が言った――「どうして葉脈だけが    残るの?」    私の予想では、その会話はすぐ終わるはずだった。私の答え    ――「葉脈は、葉の他の部分と比べると硬くなっているのかな?」    ところが、彼女は「なるほど」と言ってくれなかったのである。    「葉脈だけがなぜ硬いの?」そして「だいたい葉脈って何のた    めにあるの?」と来た。    私がハッとしたのはその時である。葉脈の断面を拡大してみる    と、その内部には栄養分を運ぶ師管と水を運ぶ道管が通ってい    るのが分かる。言うまでもなく、水は根が吸い上げるし、栄養    分は葉で作られる。それを運ぶ葉脈は、植物が生きて行くため    の幹線道路である。だからこの幹線道路を守りきるために葉脈    は丈夫な繊維が通っていて、他の部分が少々損傷を受けても大    丈夫なように硬くなっている。まさに「生命線」なのである。    私は、女の子の顔を見つめながら、そして私自身の軽薄さを戒    めるように、慎重に言葉を選びながら答えた――「この葉脈は、    クチナシが生きて行くための栄養分や水分を運んで行く大事な    大事な管なんだろうねえ。だから、この管だけはどんなことが    あっても守ろうとして、つまりクチナシの“いのち”を守ろう    として、最期まで葉脈だけは負けなかったのかなあ。」    女の子が涙ぐんだ――「何だか可哀そうなことをしちゃったな    あ……。」(YM) このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp ********************************************************************** ☆☆ ヒューストンレポート ☆☆ (416号) 上院議員は議会が減額したNASAの予算復活に賛成    テキサス州選出上院議員法案をめぐり賛否に分裂    ステュワート・パウエル    ワシントン支局    著作権:ヒューストン・クロニクル    2009年11月5日    ワシントン発。バラク・オバマ大統領の掲げたNASAのビジョン、    および有人宇宙ミッションを強く支持して、上院議員は木曜日    (11月5日)先端技術による宇宙船の建造に大統領が要求した    187億ドルの一部として、40億ドルの予算を満額確保すること    に賛成した。    この巨額財政支出法案に対する上院の投票は71対28で、6月に    ホワイト・ハウスが有人宇宙開発予算から削減した6億7000万    ドルが復活することとなる。しかし、この支出は最終的に上    院および下院で最終的に承認されるまでには、まだ多くの試    練に直面する。    宇宙局を監督する上院の小委員会の委員長である、フロリダ    州選出民主党ビル・ネルソン上院議員は、議会でのディベー    トで同僚の上院議員に語ったところによると、「予算が不足    しているNASAは岐路に立っている。新しい追加の予算がつか    ない限り、NASAはなにもできない。」    上院の法案は、来年9月までのシャトルの運航に32億ドル、国    際宇宙ステーション(ISS)の運航と建設に40億ドル、シ    ャトル引退後、アメリカの宇宙飛行士および貨物をISSへ    送迎するロシアの宇宙局に支払う6億2800万ドルを要求するも    のだ。    コーニン議員は反対票    現在のNASAの支出は商務省、法務省、およびNASA、国立科学財    団などの科学関連組織に予算を提供する651億ドルのパッケー    ジの一部を使用している。    「予算が上下両院を通過し、大統領によって署名されることを    願っている。」とNASAのスポークスマン、ミカエル・カベッジ    氏はヒューストン・クロニクル紙に語った。「大統領の署名以    前に、審議のプロセスについてコメントするのは時期尚早であ    る。」    引退した宇宙航空産業の役員であったノーマン・オースチン氏    が率いる宇宙の専門家による委員会は、シャトルの運航を数か    月延長すること、シャトルの後継機の開発を急ぐこと、および    国際宇宙ステーションの活動を2020年まで5年間延長すること    に30億ドルの追加予算を支出することを推奨している。    テキサス州選出の上院議員たちは法案に対して分裂している。    ダラス選出民主党上院議員ケイ・ベイリー・ハッチンソンさん    は支出法案に賛成票を投じ、議会とのギャップを調整する上院    のネゴシエーターのイスを獲得した。    2010年に上院の過半数を獲得するための共和党キャンペーン委    員会の委員長で、連邦支出に熱心に反対してきたテキサス州の    上院議員ジョン・コーニン氏は、パッケージに反対票を投じた。    コーニン氏はNASAが要求した予算の満額獲得を支持していると、    スポークスマンのケビン・マクロフリンは言うが、全体の予算    もいろいろな政府機関からの要求が昨年比で13パーセント増加    している。    予算の圧力    NASAは連邦議会での両党からの支援を喜んでいる。しかし、宇    宙局の予算は、大恐慌いらい最悪の景気悪化のもと、イラクお    よびアフガニスタンでの戦費、経済立て直し、自動車産業、ウ    オール・ストリートの金融会社、および失業者の救済措置など、    連邦予算の巨額支出のため、巨大なプレッシャーのもとにある。    議会の予算の書き手は、NASAの支出を取り扱う議会の予算委員    会の委員長である、ウエスト・バージニア選出民主党アラン・    モロハン氏の指示により、NASAの宇宙開発の予算をこの夏カッ    トした。    モロハン氏は、「予算カットはNASAの有人宇宙開発活動に対す    る私および小委員会の支持の低下と見なされるべきではない。」    と、強調する。「われわれは正しく、現実的な査定にたいして    予算を配分することが重要である。」と付け加えた。 Senate votes to restore NASA funding House Cut By Stewart M. Powell Washington Bureau Nov. 5, 2009 ********************************************************************** ☆☆ ホットトピックス ☆☆         (当分お休みします)       各記事の詳細は日本惑星協会ホームページでご覧になれます。 http://www.planetary.or.jp/ ********************************************************************** ********************************************************************** ■タイトル  :TPS/Jメール ■発行元   :NPO法人 日本惑星協会          http://www.planetary.or.jp/ ■発行日   :毎週水曜日 ■発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』          http://www.mag2.com/ ■マガジンID:0000022732 「TPS/Jメール」は、上記URLよりいつでも登録/解除可能 です。 ********************************************************************** **********************************************************************