**********************************************************************        ☆☆☆☆☆ TPS/Jメール ☆☆☆☆☆ ********************************************************************** 今週のもくじ  ・YMコラム   ・ヒューストンレポート  ・ホットトピックス    ********************************************************************** ********************************************************************** ☆☆ YMコラム ☆☆ (NO.494)    地球は多神教?!    ジングルベルが鳴っている。もちろんそうでない人がおられる    ことは承知しているが、今はほとんどの日本人の頭からは神社    が消え失せているだろう。これがやがて大晦日を迎えると、除    夜の鐘が大多数の日本人の胸を打つ。各地のお寺が主役となり、    十字架の姿は掻き消える。そして正月。神社が大繁盛。初詣を    する人々は本気で古事記の主人公たちに願い事をする。こうし    た、キリスト教→仏教→神道という気持ちの流れは、非常に自    然に行われていき、それほど葛藤や摩擦の起きる気配はない。    これは、西欧の人々から見ると、大いに不思議な現象である。    「不思議」ぐらいでとどまればいいが、「無節操」とのそしり    になることも多い。この年末年始の一連の動きだけでなく、門    松、七草粥から始まって、四季折々の日本のしきたりをきちん    とたしなんでいる人たちが、ハロウィーンを楽しんでいたりす    ると、いささか心の中を覗いてみたくなることもあろう。そし    て日本人自身の中にも、こうした事柄を自嘲をこめて「宗教心    の希薄さ」に帰着される向きもおられるだろう。    私は多少違った感じ方をしている。これはこの列島に住む人々    のしなやかさ、あるいは、したたかさではないか。ご存知の通    り、(おそらくは)6世紀に仏教が伝来したとき、すでに流布    していた「八百万の神々」との間に闘いが起きた。それが現実    世界では、あの蘇我氏と物部氏の軋轢となっていった。13世紀    には仏教にも革新が起きたが、やがて神仏は習合していった。    今日でも仏教と神道はそれぞれ独自の「教え」を持ってはいる    が、多くの日本人にとっては、その差異は死活の意味を有して    はいないだろう。16世紀のキリスト教伝来によっても、この国    にはさまざまな事件が引き起こされ、歴史を彩った。キリスト    教徒の弾圧、隠れキリシタンをめぐる問題などは、その代表的    なものであるが、キリスト教も現代の日本では極めて平和的に    受容されているように見える。    この列島で生活している人たちにとって、宗教とはいかなる意    味を有する社会的存在なのだろうか。こうしたことについては    無数の研究がなされているだろうし、私なんぞが口を挟む余地    のない事象である。ではあるが、一言言わせてもらえば、この    島々に生きてきた人々は、漢字でも、概念でも、風習でも、す    べての衣食住にまつわる、海の外から入ってきたものを、きわ    めて上手に生活の中にとりこんできた。この列島における文字    の歴史だけにしぼっても、外来のものを受容しつつ数百年をか    けてそこから独創的な日本の文字体系をつくりあげてきたプロ    セスは、感動的ですらある。そのダイナミックな姿を「和」と    名づけよう。今では「日本人」と呼んでもいいだろうこの民族    のこの手法を念頭におけば、現在の私たちの「宗教心」なるも    のは、世界でもまれな現象で、文字の体系ほど美しく完成され    てはいないし、全くあちこちに綻びの見える荒削りなものであ    り、またそれぞれの宗教心篤き人たちからは「とんでもない」    とお叱りをうけそうだが、やはりこれも宗教をめぐる「和」の    ひとつのかたちなのではないかと思えてくる。    先日私の近くにいる小学6年生の男の子が、面白いことを言った    ──ねえ、日本は多神教なんでしょ? そしてヨーロッパやイ    ラン・イラクなんかは一神教だと聞いたけど、宇宙人が地球の    ことを見たら、多神教の星だって思うんじゃないかな──    一理ある。すでにこの私たちの考えるスケールを超えて、この    星をグローバルに「感じている」世代が生まれていることを、    このとき私は知った。そんな子どもがこの島国に出現しつつあ    ることに、深い感動と喜びを覚えている。日本人の「和のここ    ろ」とともに、大事に育んでいかなければならないセンスであ    る。(YM) このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp    ********************************************************************** ☆☆ ヒューストンレポート ☆☆ (419号) 引退したシャトルを誰が着地させるか、カウントダウン始まる    エリック・バーガー    著作権ヒューストン・クロニクル    2009年12月7日    NASAは引退後のシャトルがどのようになるかについて話すこと    に、乗り気ではない。    しかし、スペース・シャトルを展示して一般公開したい科学施    設の間ではすでに競争が激化している。    昨年12月、NASAは教育機関、科学博物館、その他の組織に対し    て、引退後のスペース・シャトル引き取りに関し、希望がある    かどうか、情報依頼書の提出を求めた。宇宙局はシャトルを修    復し、ボーイング747で運搬するコストは4200万ドルと見積も    っている。    その結果、約20の機関――ヒューストン・スペース・センター    を含む――が回答を寄せている。しかし、それ以来、宇宙局は    沈黙したままである。    「われわれは、いまだ着陸待ち旋回経路にいる状態である。」    と言うのは宇宙の歴史を専門とするウエッブ・サイト    collectSPACE.com を主宰しているロバート・パールマン氏だ。     「シャトルがまだ現役で飛んでいるときに、引退後のことは話    したくないだろうかならね。」    スペース・シャトル・アトランティスのケネディ宇宙センター    への安全な帰還に伴い、NASAは来年シャトルが引退するまでに、    あと5回のミッションを残すのみとなった。    オバマ大統領はシャトル引退の期日を延期することができる。    大統領は将来の有人宇宙飛行のプログラムを次の数カ月以内に    決定しなければならない。しかし、シャトルの終わりは近付い    ている。    シャトル受け入れの条件として、受け入れ機関はシャトルを屋    内に展示し、維持管理するコストを確実に約束しなければなら    ない。    シャトルを獲得し、展示するための施設を準備するための資金    を集めるには時間がかかる。しかし、ワシントンのNASAヘッド    クォーターは何時決定するかを明らかにしていない。    「NASAの当面の焦点はスペース・シャトルを安全に、成功裏に    運用し、国際宇宙ステーションを2010年までに完成させるとい    うミッションを遂行することである。」と、NASAのスポークス    マン、ジョン・エンブリック氏は言う。「最終的な決定が何時    なされるかを推測するのは、時期尚早である。」    スミソニアン航空宇宙博物館はシャトルのいずれかを獲得する    ことが保証されている。この施設はスペース・シャトル、エン    タープライズをすでに持っている。エンタープライズは大気圏    でのテスト・フライトに使用されたが、宇宙では使用されたこ    とがない。ヴァージニア州チャンティリのウドバー・ヘイジ・    センターに展示されている。 Counting down to who will land a retired shuttle By Eric Berger Copyright Houston Chronicle Dec. 7, 2009 ********************************************************************** ☆☆ ホットトピックス ☆☆    ● 土星の北極上空の最も鮮明な六角形構造            2004年から土星系の探査を続けている探査機カッシニは、      最近の調査で土星の北極上空に1930年代から居つづける不      思議な六角形構造の最も鮮明な画像の撮影に成功した。そ      して、この構造は高速のジェット気流の通り道であること      が明らかになった。    ● ハッブル宇宙望遠鏡、宇宙最深部の銀河の撮影に成功            新しい観測機器を装着したハッブル宇宙望遠鏡が、ビッグ      バンからわずか6〜9億年後に形成された宇宙最深部に存在      する銀河をとらえた。この画像に見られる、最もかすかで      最も赤い天体が最古の銀河である。先のシャトル・アトラ      ンティスによる補修工事が効果を発揮した。 各記事の詳細は日本惑星協会ホームページでご覧になれます。 http://www.planetary.or.jp/ ********************************************************************** ********************************************************************** ■タイトル  :TPS/Jメール ■発行元   :NPO法人 日本惑星協会          http://www.planetary.or.jp/ ■発行日   :毎週水曜日 ■発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』          http://www.mag2.com/ ■マガジンID:0000022732 「TPS/Jメール」は、上記URLよりいつでも登録/解除可能 です。 ********************************************************************** **********************************************************************