**********************************************************************        ☆☆☆☆☆ TPS/Jメール ☆☆☆☆☆ **********************************************************************   今週のもくじ  ・YMコラム   ・ヒューストンレポート  ・ホットトピックス     ********************************************************************** ********************************************************************** ☆☆ YMコラム ☆☆ (NO.503)    月の北極に大量の氷を発見 ――「チャンドラヤーン」搭載のNASAのレーダー またまた大発見のニュースです。NASA(米国航空宇宙局)は、さ    る11月に月の南極のクレーター内部に水の存在を確認しましたが、    このたび、インドの月周回機「チャンドラヤーン1号」に搭載さ    れたレーダーが、11月とは比べものにならないほどの水の存在を    月の北極に検知したのです。    NASAが調べたのは直径2 kmから15 kmくらいの北極付近のクレータ    ーで、これらに「ミニSAR」と呼んでいるNASAの軽量の合成開口レ    ーダーからパルス状の左旋の偏波を送出し、少なくとも    6億トン(!)もの氷を見つけたのです。    このレーダーは、月面の凸凹を測定します。滑らかな面からは偏    波面が逆転して右旋偏波が返ってきますが、ごつごつした面から    は左旋偏波が返ってきます。このミニレーダーは、返ってきた円    偏波の左旋/右旋の比率(CPR)を測定して凸凹を調べるわけです。    ところが、氷も、電波に対して透明でやはり左旋偏波を返してく    るため、CPRの値が高いだけでは、ごつごつした地形と氷の存在と    を区別できません。今回のデータによれば、クレーターの内部は    CPRが高いのに、その(クレーターのいわゆる)外縁付近のCPRは    低いようです。    このことは、表面の凸凹の度合いというよりは、クレーター内部    にある物質が原因でCPRが高い値を示していると解釈されます。    NASAは、CPRデータの解析から、北極付近のクレーターにあるのは、    比較的純粋の大量の氷で、その氷の層の厚さが少なくとも数フィ    ートはあると考えているようですよ。    「偏波」というのは、一般にはあまり耳慣れない言葉ですが、    「偏光」はよく知られていますね。光はあらゆる方向に振動して    いると考えられており、その光を一定方向に振動する光線だけ通    すフィルタ−膜の入ったレンズのことを「偏光レンズ」と言いま    す。    偏光膜というのは、PVA(ポリビニールアルコール)などのプラス    チックを引き伸ばして分子の向きを揃え、ヨウ素や染料で着色し    たもので、細かなPVAスリットの集合体です。この細かなスリット    は、たとえば光の垂直な振動波だけ通過するので光の振動方向が    そろうわけです。      車を運転中に、色んな反射光で見えにくい景色が、偏光メガネを    かけると余計な反射を取り除いてスッキリ、クッキリと見えるよ    うになることは、経験された方も多いでしょう。光も電波も電磁    波の一種ですから、電波にも同じような現象があるわけで、    「偏波」は「電波の偏光」に当たると考えていただければ。    それはともかく、これからさらに探査を進めていかなければなら    ないのは、月の水がどのように生成され、移動し、保持しつつ蓄    えられてきたのかを、より深く研究することでしょう。月は、今    回の発見で、従来考えられてきたよりもはるかに魅力的な天体で    あることも再確認することが必要でしょう。(YM)      このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp    ********************************************************************** ☆☆ ヒューストンレポート ☆☆ (424号)    宇宙ステーションからの新しい眺望、乗組員を喜ばす    エリック・バーガー    著作権ヒューストン・クロニクル    2010年2月18日    日の出、雷嵐、都市の光。    これらは国際宇宙ステーションの新しいキューポラからの眺め    を宇宙飛行士が説明したハイライトである。    「7つの窓からの眺めは言葉では説明できないわ。」とキャサ    リン・ハイヤ、キューポラを運んだスペース・シャトル・エン    デバーのミッション・スペシャリスト。    「もっとも驚いたのは美しい雷嵐です。稲妻が雲から雲へジ    ャンプするの。」とハイヤさん。    宇宙飛行は今回が初めてのエンデバーの操縦士テリー・バーツ    も同様に驚いている。「キューポラかの眺めは言葉にできませ    ん。息を飲みました。」と彼は言う。    ニコラス・パトリックと3回の船外作業をした宇宙飛行士ロー    バート・ベンケンは、「眺めは船外で宇宙服から見るものと同    程度、あるいはそれより優れている。」と言う。    宇宙飛行士たちはすでに広角レンズ・カメラやその他の方法で    地球へ持ち帰る映像を撮っている。    最後の主要構造物―「静寂ノード」と命名された新しい部屋」―    を宇宙ステーションへ運び、キューポラを取り付けるというエ    ンデバーのミッションは土曜日(2月19日)の夜終わる予定で    あった。10年まえ、宇宙ステーションにまだ居住する人がなか    ったとき、宇宙ステーションに飛行したコマンダー、ジェフ・    ウイリアムズにとって、地球を周回する実験室は著しい変貌を    とげた。    現在の宇宙ステーション内部の居住区は4ベットルームの家に    等しい。 New space station vista delights crew By Eric Berger Copyright Houston Chronicle Feb. 18, 2010 ********************************************************************** ☆☆ ホットトピックス ☆☆    ★ 探査機カッシニ、8回目のエンセラダス・フライバイで大成果       探査機カッシニは昨年11月20日、8度目のエンセラダス・フラ イバイを行い、30以上というこれまでにない多くのプリュー      ムの観測に成功した。また、搭載科学機器の測定データから、      代表的な「虎の縞」であるバグダッド・スルカス周囲の表面      温度の分布地図が初めて作成された。    ★ 観測衛星ワイズがとらえた美しいアンドロメダ座       NASA広域赤外線衛星ワイズがとらえた、アンドロメダ銀河の      最も美しい画像が公表された。アンドロメダ銀河は、天の川      銀河に最も近く、天の川銀河と共に50個あまりの銀河で構成      される局部銀河群のなかの代表的な銀河である。 各記事の詳細は日本惑星協会ホームページでご覧になれます。 http://www.planetary.or.jp/ ********************************************************************** ********************************************************************** ■タイトル  :TPS/Jメール ■発行元   :NPO法人 日本惑星協会          http://www.planetary.or.jp/ ■発行日   :毎週水曜日 ■発行システム:インターネットの本屋さん『まぐまぐ』          http://www.mag2.com/ ■マガジンID:0000022732 「TPS/Jメール」は、上記URLよりいつでも登録/解除可能 です。 ********************************************************************** **********************************************************************