☆☆ YMコラム ☆☆ (NO.407)    「かぐや」大ブレイクの予感    ここのところ、いわき(福島)、水沢(岩手)、佐治(鳥取)と    相変わらずの旅烏でしたが、どこへ行っても驚くほど「かぐや」    のことが話題になります。講演会場で「かぐや」のことを知って    いる人に手を挙げてもらうと、まず8〜9割おられます。これは    「はやぶさ」の最盛期を圧しており、月と小惑星に対する「庶民    の感覚の差」を物語っているのでしょう。    また私だけが感じていることかも知れませんが、「はやぶさ」の    ときは、傾向としては「すごいことをやっている」という感じだ    ったのが、「かぐや」については「あんな映像を送ってもらって    有難う」という感じなんですね。どうでしょうか、この微妙さ。    「かぐや」では、「はやぶさ」のときにあった「日本の技術への    誇り」に加えて、自分と一体になった感想がほとばしり出ている    のだと思います。    「かぐや」のハイビジョンにつづいて、地形カメラ、マルチバン    ドイメージャ、スペクトルプロファイラという3つの光学機器の    初期画像がJAXA Webに掲載されました。最新のISASメールマガジ    ンに寄稿した地形カメラ担当の春山さんの記事によれば、    ──この三つの機器をあわせてLISM(月面撮像/分光機器)    といいます。地形カメラは、月面を10mという超高空間分解能    で月面をくまなく立体視撮像し、月の地形を詳細に調べます。マ    ルチバンドイメージャは、様々な波長のフィルターを通した画像    を取得し、月面の物質の違いをあますところなく調べます。スペ    クトルプロファイラは、鉱物に特有なスペクトル(波長毎の反射    率)を得て、どんな鉱物が月に存在するのかを調べます。どれも、    これまでに例をみない高性能の機器です。──(春山)      実際には初期画像と言っても膨大なデータが取得されています。    そのほんのちょっとがWebに出ているだけですが、いずれ目を剥    くような素晴らしい画像が公開されます。楽しみにしていてくだ    さい。今確かに「かぐや」は、世界の月探査を先導しているので    すね。      冒頭に書いた人々の潜在的な期待のニュアンスを思い切り顕在化    させるのは、これからの広報担当者の腕の見せどころです。「見    せたいもの」と「見たいもの」をレベルを高めながら一致させる    努力が、どれほど精緻に組み立てられるか──すべてはこれから    です。BreakがBrakeにならないようにしなければね。      ところで、来年の春をめざして、以前から語っていた宇宙教育を    軸にしたNPOを立ち上げる準備を進めています。慣れない金策に    動き回っていますが、どなたか善意のお金持ちに心当たりがあり    ませんかねえ。いらっしゃれば全国どこにでも、趣意書と決意を    持って駆けつけます。      宇宙教育は、ロケットや人工衛星のことを一生懸命に教えて宇宙    の後継者を作る事業ではありません。宇宙や宇宙活動のもつ魅力    的な素材を最大限活用して子どもの心にいっぱい詰まっている燃    料に火をつけ、一人一人の子どもたちが人生を輝かせ、人々のた    めに真摯に生き抜くための素地を育む大規模な運動あるいは流れ    を創造したいのです。    いずれ近いうちに全貌をお話しますが、その流れを作り出す速さ    は、集う人々のパワーと同時に、やはり資金による部分も大きい    と思われます。その点で耳寄りな情報を歓迎します。志は「宇宙    で子どもを元気にし、日本の空気を一新したい」と大きく、いく    ら予算があっても足りるものではありません。    外国の人たちに財源を求めたくないという原則を決めると、日本    には「儲からないこと」「純粋に社会貢献的なこと」にお金を出    す会社や個人が非常に少ないことに、今更ながら思い至ります。    糸川英夫先生が宇宙のために懸命に予算繰りに動いていた頃、    「この人は何でこんなにお金集めに奔走しているんだろう」と訝    しかったのですが、現在ではよく分かります。糸川先生、ごめん    なさい。    急に寒くなってきましたね。お気をつけください。(YM) このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp