☆☆ YMコラム ☆☆ (NO.488)    ネアンデルタールとの出会い    ドイツの田舎町オーバーハウゼンに来ています。日曜日の昼    ごろに成田を発ちました。久しぶりのスカンディナヴィア航    空。11時間半のフライトでコペンハーゲンへ。ここで4時間    半の待ち時間を経て、1時間20分の飛行でデュッセルドルフ    へ。デュッセルドルフ空港には1ヵ月半前からケルンに滞在    中の橋本明憲くんが迎えに来てくれていました。    以前も少しプックリしていましたが、久しぶりで見る彼はさ    らに豊かな体躯に。というわけで、親子のようなコンビで深    夜の電車に乗って15分くらいでオーバーハウゼンまで。ここ    は緯度で言えばベルリンとフランクフルトの間あたりですか    ら、さすがに冷えますね。結局スーツケースの中の上着は出    さないまま、下着の下にある肉の上着を活用して「痩せ我慢」    をしながらNHホテルまでやってきました。    こんな街まで何のために来たかというと、火曜と水曜にここ    で開催されるISECG(International Space Exploration    Coordinating Group:宇宙探査のための国際調整会議)に出    席するためです。今回は、その宇宙探査を教育・広報の立場    からどう取り組むべきかについての議論ということなので、    「のぞみ」「はやぶさ」「かぐや」その他のキャンペーンな    どに関係してきた私が依頼されたということでしょう。    火曜に30分のプレゼンテーションをしなければなりません。    何の準備の手がかりも預かって来なかったし、これから会議    の雰囲気を想像しながらパワーポイントを組み立てなければ    なりません。インターネットがつながるかどうかが唯一の心    配だったのですが、これがあっさりと接続されて、すっかり    安心。フロントで近所の様子を訊いたら、何ということでし    ょう。あの憧れの地「ネアンデル」がすぐ近くにあるという    ではありませんか。    小さい頃に文化人類学に憧れたこともある身としては、こん    なチャンスを放っておいてなるものかとばかり、月曜日の朝    起きてすぐに橋本くんを誘って出かけました。まず目標と反    対方向の電車に乗ってしまい、それでも慌てず騒がず、ドイ    ツ特有の田園風景を楽しみつつ乗り換えて、やっとデュッセ    ルドルフへ。そこからSバーンで15分くらい、黄葉の美しい    山並みを縫うように走って、やってきました「ネアンデル」。    電車を降りてから西南方向へゆるやかに坂を下って行くと、    谷の底あたりに博物館らしい建物が見えてきました。なるほ    どここは「ネアンデル」の谷(タール)だ。あれがネアンデル    タール博物館だろう。しかし今日は月曜日。きっと休みに違    いない。と思っていたら、やっぱり休みでした。入り口から    博物館の内部を覗いたら、中には灯りが点っているため、入    り口近くにあるネアンデルタール人の立像をせこくカメラに    収めてから、骨の発掘現場を求めて歩き出しました。    でももう昼なので、近くの瀟洒なレストランを見つけて食事。    メニューに「ネアンデルの地ビール」がありました。とは言    っても味はそんなに他のビールと変わっているわけではない    「らしい」ですよ。ラベルにはしっかりと「ネアンデルター    ル人」の絵が描いてある「らしい」。ニシンの酢漬けを食べ    て満足。結構いい味付けでした。    1856年、ここネアンデルの谷のフェルトホーファー洞窟で石    灰岩の採掘作業をしていた作業員が、保存状態のいい人骨を    見つけました。低い脳頭骨や発達した眼窩上隆起などの原始    的特徴が見て取れたといいます。その後の大騒ぎは有名です。    その最初の発見現場と思われる場所の大きな岩に、金属製の    矢印(というより槍)が突き立てられていました。    大勢のネアンデルタール人が歩き回ったと思われる場所を、    どう考えても彼らはこんな体型では無かっただろうと推察で    きる人間が歩いていたということになります。さてそこから    また帰り道を急いで、ホテルに着いたときはすでに夕食前。    ホテルで聞いた近所のイタリア料理の店「Giu(ジウ)」で    スパゲティ・ペペロンチーノ。    さて長年の念願が偶然にも数十年ぶりでかなった心地よい想    いも、突然思い出した「明日のプレゼンテーションのための    準備」によっていったん中断。悪戦苦闘の末にやっとベッド    に入ったのは明け方の4時半でした。(YM) このコラムに関するご意見・ご感想は下記アドレスまでお寄せ下さい。 matogawa@planetary.or.jp