SETI@homeはBOINCに移行します
まもなく私たちは、BOINC
に基づいた次期SETI@homeをリリースします。
BOINCは、SETI@homeのような分散コンピューティングプロジェクト
のための、汎用のプラットフォームです。
SETI@home/BOINCに切替えるのは簡単です:
- SETI@homeのWebサイトで、新しいアカウントを作ります。
そうするとアカウントIDが e-mailで送られてきます。
注:現在のSETI@homeのすべての参加者には、自動的に[新しい]アカウントが
作られます。 (後述)
- BOINCのクライアントプログラムが
リリースされたら、
ダウンロードしてインストールしてください。
- 従来のSETI@homeを[
(スクリーンセーバー/コマンドライン・クライアントの両方)]、
アンインストールしてください
- BOINCのクライアントを
初めて
走らせるときに、
あなたのSETI@homeのアカウントIDを入力してください。
もし問題があれば、"従来のSETI@home"を、もう一度インストールして、
走らせつづけることができます。
移行の段取り
まだ、しっかりしたタイムテーブルはできていませんが、
移行の段取りは以下のようになるでしょう:
-
まず、SETI@home参加者の情報(アカウント、チーム、プロファイル)の
スナップショット(
訳注:特定時点でのデータ内容)を記録します。
それを使って、SETI@home/BOINCのデータベースを初期化し、
そのあとで、SETI@home/BOINCプロジェクトを開始するでしょう。
-
次の月ぐらいに、すべてのSETI@home参加者に対し、新しいアカウントIDを
メイルで送り、BOINCに切替えることを
促します。
この期間、現在のSETI@homeを走らせつづけることができますし、
あなたの計算結果は記録され、かつ有効に使われます。
新しいSETI@homeアカウントを作ったり、チームの
変更をすることもできますが、それらは、BOINCには引き継がれません。
(訳注:前述のスナップショットに入っていないためです)
-
SETI@home/BOINCが安定して、かつ、ほとんどのプラットフォーム向け
のSETI@home/BOINCの版が使えるようになったら、従来のSETI@home用
のデータサーバを停止するでしょう。
この時点で、
SETI@home/BOINCに移行
せざるをえなくなります。
質問への回答
なぜSETI@homeは、BOINCに切り替わろうとしているの?
いくつかの理由があります:
-
BOINCは透過的、かつ安全に、アプリケーションの新しい版をダウンロードします。
これによって、 ダウンロードとインストールの
手間なしに、
SETI@homeをアップグレード、あるいは拡張することができます。
再観測で得た、1サンプルあたり8ビットのデータを解析できるようにしたり、
蒸発するブラックホールが発する短時間のパルスのような[今までとは]
異なるタイプの電波信号を探すなど、新しいアルゴリズムを追加することが、
簡単にできるのです。
-
BOINCは従来のSETI@homeに比べて、より柔軟なデータアーキテクチャをもっています。
複数のサーバからデータを転送してくることができますし、
PCのディスク上にそのデータを溜めることもできます。
将来、より広い周波数範囲で、地球外からの信号を探索するために、これらの
能力を使うことができるでしょう。
-
BOINCは、ホストパラメタ(host parameters)に基づいて、仕事を分配します。
あるワークユニットが、たとえばメモリを512 MB必要としたとしましょう。
そのワークユニットは、少なくとも、その必要量以上のメモリを持ったホストに
しか、送られることはないでしょう。 従来のSETI@homeが、
「全てのマシンに同じサイズ[のワークユニット] 」だったのに比べて、
BOINCは、より広い範囲の計算に適用できるのです。
-
他の分散コンピューティング・プロジェクト(たとえば Folding@homeや
ClimatePrediction.net など)も、いつかは、BOINCを使うようになるでしょう。
そうなると、あなたが使える計算時間[つまり計算パワー]を、
各々のプロジェクトに、好きなように割り振ることができます。
私のワークユニット合計はどうなる
のでしょう か?
BOINC の各プロジェクトは、さまざまな長さのワークユニットを、
持っているかもしれません。 そのためBOINCは、
あなたのコンピュータがした仕事の量を、
ワークユニットの数ではなくて、
実際になされた計算の量 をものさしにして、
把握します。
この変更のため、SETI@home/BOINCのアカウントは、
従来の作業量合計と、新規の作業量合計とを、別々に持つことに
なるでしょう。
従来の作業量合計とは、現在のSETI@homeでのワークユニット
解析数の合計です。
この値は[BOINCに全てが移行した後は]、変わることはなくなり、
従来の作業量合計に基づく最終結果のスコアボードが、私たちのWebサイトの一画に
残ります。 新規の作業量合計のカウントはゼロから始まります。
SETI@homeのチームには何がおこるでしょうか?
現在のSETI@homeの全チームと、
そのチームへの参加状態は、SETI@home/BOINCへとコピーされます。
SETIQueue (および同様のプログラム)は、移行後も使えますか?
これらのプログラムは、従来のSETI@homeで大変有用だったのですが、
BOINCでは役に立ちません。 しかし、その機能のいくつかは別の方法で
代替することができます:
-
複数のワークユニットをバッファリング(*1)
することは、今度はBOINCクライアントそのものがやってくれます。
サーバにつないだときに、
一度にどのくらいの量の仕事をとってくるべきか、
BOINCに指示できるようになっています。
(*1 訳注:ここで言っているバファリングとは、SETIQueueなどにある機能の
一つです。複数のワークユニットをダウンロードして保存しておき、
サーバがダウンしていても、クライアントは次のワークユニットを
使って、続けて解析をすることができるようにするものです。)
-
インターネットに直接つながってはいないが、LANを通じて
つながっているホスト(訳注:ホスト=参加者のコンピュータのこと)については、
Unix上のSquid や、
Windows上[で動く]
FreeProxyなどの、 HTTP 1.0 プロキシを使うことによって、
BOINCに参加させることができます。
-
ネットワークに接続されていないホストは、現在のところBOINCに参加する
ことはできません。 将来は、解決策が作られるかもしれません。
どのプラットフォームがサポートされるのでしょうか?
最初は、Windows/X86, Linux/X86, Solaris/SPARC, そして Mac OS X
がサポートされるでしょう。 (これらのプラットフォームが、
我々[自身]が使えるものの範囲です。) 現在のソースコード配付
のポリシーを継続し、SETI@homeが今、走っている全てのプラットフォームを、
最終的にはサポートしたいと思っています。
まずは、Windows版はグラフィカルなインタフェースをもち、
他の版はコマンドラインインターフェースを持ちます。
最終的には、ほとんどのプラットフォームが、両方のインターフェース
で使えるようになるでしょう。
マルチプロセッサのマシンで、
複数のクライアントを走らせることができますか?
できます。 しかし、複数個、走らせる必要はありません。
というのは、BOINCは自動的にホストのプロセサを全部使うからです
(あなたが、そうするな、と指定しないかぎりは)。
入力と出力のファイル形式は変わるでしょうか?
変わります。
新しいデータ形式はXMLに近いものです(正式なXMLではありません *2 )。
その(XML的な)データ形式を扱うため、SETI@homeの解析結果(ワークユニット内で
見つけた信号)
の内容を表示するプログラムは、変更が必要です。
ファイル形式とネットワーク通信についての情報は、
ここにあります。
(*2 訳注: タグの使い方はXMLにあわせてありますが、
well-formed XMLではありません。上記リンク先にある、WUの例をみると、
CDATA内でもないのに、[<] が WUの信号データ部分に現れているように
見えます。stateファイルの例では、トップレベルのタグが複数ならんでいます。
Outputファイルの例は、10月25日の段階ではまだ載っていません。)
ワークユニットと結果のファイルの大きさは、
現在とほぼ同じになるでしょう。
ブラックホール探索のプロジェクトは、もっと大きな、
およそ1MBぐらいのワークユニットを使うでしょう。
BOINCは安全でしょうか?
公開して実施される分散コンピューティングは、セキュリティについて
たくさんの課題があり、参加者への脅威と、プロジェクトへの脅威の、
両方を含んでいます。 それらのいくつかが、
ここ
で議論されています。
BOINCは、ダウンロードしてきた実行可能コード(訳注:プログラムのこと)が、
確かに改竄されていない正当なものである
ことを保証するため、「デジタル署名」と呼ばれる仕組みを使います。
(翻訳草稿#3 原文2003/10/25現在版向け。
Translated by je2bwm, comments from Kiyota,Yamane[1009],
Hasegawa Ryuichi[1011] and Takeda [1012] included )
Copyright ©2003 SETI@home