生の電波データは時間にそって変化しています。
ちょうど、オシロスコープ上に映し出された線が、
マイクロフォンから入れたあなたの声に応じてうごめくように。
この喩えでは、時間は水平方向のX軸にそって流れ、
信号の強さ(空気圧)は、垂直方向のY軸にそって表示されています。
電波望遠鏡からの信号は、そのままの形では我々にとても有用とは言えません。
我々が知りたいのは、この生の信号の中に定常的な(そして強い)
「トーン」が含まれているかどうかなのです。
生の信号を見るのではなく、我々はむしろ水平X軸に周波数をとり、
垂直Y軸に信号のパワーをとるようなグラフをみていたいのです。
こんなグラフの中に
スパイクが現れたら、それは単一周波数における強い信号です。
時間ベースのデータ一揃いを、
周波数ベースのデータ一揃いに変換するには、
「高速フーリエ変換」またはFFTと呼ばれる、
比較的ややこしい数学的操作をそのデータに適用します。
SETI@homeスクリーンセイバーの表示のうち、
下側のフレームに示される大きなグラフは、FFT処理の結果データです。
ワークユニットの処理の初めには、
異なる分解能で15回の異なるFFTをデータに対して実施します。
この開始時、0.07 Hzという小さな周波数幅で詳細を調べています。
このタイプの分析にはトレードオフがつきまといます。
周波数についてとても正確にみようとすると、
より長い時間にわたるデータの塊を観測しなければなりません。
たとえば、0.075 Hzの周波数分解能では、
13.42秒の長さに渡るデータの塊をみる必要があります。
一つあたり107秒に小分けされた我々のデータをくまなく解析するには、
8回のFFTを実施する必要があることになります。
周波数分解能を0.14Hzに下げると、
データのうち6.7秒の長さのサンプルを見るだけで済むようになります。
このとき周波数分解能は低くなっていますが、
かわりに時間分解能が良くなったわけです。
すると、107秒のデータをカバーするには、
2倍の回数分(16回)細かく分けたデータの塊を調べなければなりません。
我々の分析は、15種類の周波数分解能(0.075, 0.15,
0.3, 0.6, 1.2, 2.5, 5, 10, 20, 40, 75, 150, 300,
600, 1200 Hz)で行っています。
107秒間のワークユニットをカバーするのに必要なFFT計算の回数は、
周波数分解能を半分にするごとに2倍ずつ増加していきます。
必要な数値計算の量はたいへんなものです。
(Translated by KOMORI Hitoshi
.)
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